いまや寿司はアメリカ人の日常食に

 暗い話ばかりでは恐縮なので、日本人にとって明るい、楽しい話も紹介したい。このスーパーはかなりの大型店で、そのなかに大人気の寿司売り場がある。本格的な握り寿司と巻物が売られていて、筆者もこれが好きである。アメリカ人の好みに合わせた「アメリカ寿司」ではあるが、ほとんどのニューヨーカーには、これこそが「寿司」である。この原型となったスーパーマーケット内でのデリカテッセン方式は、実はかつて筆者がコンサルタントとして戦略と展開計画を作ったものだ。その話は機会があればお伝えするが、とにかく今や、アメリカの大きなスーパーは、どこもこの寿司ビジネスで大繁盛している。日本食が庶民にまでこんなに受け入れられているのを見ると、やはりうれしい気持ちになる。そういえば、最近はラーメン店も増えた。コロナでどこも営業は苦しいはずだが。

 それにしても、この未曽有の危機と闘う総大将が「コロナウイルスはインフルエンザのようなもの。時期が来れば消える」などと語り、極め付きは、自分の演説会場に2000人もの観衆を招待して、なんとマスクの使用を禁止したのである。言うまでもなく、ドナルド・トランプ大統領のことだ。その認識不足、間違った方策も影響して、すでに20万近くの命が失われた。大統領選挙には様々なテーマがあるが、個人的には、これだけの国民の命を奪ったウイルスとの戦いこそが最大の評価基準になるべきと思う。11月3日は、アメリカがコロナと戦う総大将を選ぶ日になる。筆者はひそかに、「コロナデイ」と名付けている。

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