こらえきれずに涙をこぼした
「私はそんなお金がないことを必死に伝えましたが、『じゃあ、お前の友達の○○○の住所を教えろ、そこにあるはずだ』と、私の親しい人じゃなければわからないような人の名前を挙げたんです。私は2人の顔を見たことはありませんので、2人は私のことをよく知っている人に頼まれてお金を奪いに来たんだって思うと、頭が真っ白になりました。そして、『ああ、また私のお金を奪おうとする奴らが現れたのか』と絶望しました」
そう語ると、里美は堪えきれず涙をこぼした。
「実は、セクシー女優としてデビューしてからずっとお金でゴタゴタしていました。プライベートでも彼氏からお金を盗まれたり、女友達からも騙し取られたり……本当にいろんなお金のトラブルに巻き込まれてきました。なんでこんなことばかりが続くのか……ついには強盗まできて、もう嫌になって、彼らに『もう、抵抗も何もしない。お金もない。このまま殺して』って言いました」
2人はそんな里美の訴えも意に介さず、部屋を漁りクローゼットに手をかける。
「クローゼットの中には、脱税騒動後6年でコツコツ貯めた現金600万円がありました。かつて、自分の知識不足で所得隠しになってしまったのはお恥ずかしい限りですが、このお金は悪いことをして稼いだお金ではありません。
私は事務所からいただくセクシー女優としてのお仕事とは別に、六本木のキャバクラで働いています。そのお給料は現金でいただくので、銀行に入れず家で保管していました。小さい頃からお金に困って生きてきたので、手元に現金を置いておかないと不安なんです」
2人組は車で逃走し、犯行からおよそ5時間後に神奈川県内で身柄を確保された。奪われた600万円のうち400万円が車内から見つかったが、残り200万円は見つかっておらず、その行方についてはまだわかっていない。