国内

暴力団幹部妻の呼び出し 絶対に1人では行かない組員の事情

警察が2人ペアで動くのはお互いの監視の意味もある(写真はイメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、警察官や暴力団員が2人一組で行動する理由と、組員の切実な事情を探る。

 * * *
「ヤクザも2人一組でなければならない場合があるんでね」

 現役の暴力団幹部が妙に真面目な顔を見せた。

 昨年10月、六代目山口組若頭、いわゆる山口組ナンバー2の高山清司氏が出所したことで、山口組の分裂抗争は再燃し始めていた。だが、コロナ渦で抗争は休戦。不気味な静けさを見せていた最中、今度は山口組から分裂した神戸山口組の中核組織である山健組が脱退騒動を起こしたのだ。さらに神戸山口組、そこから分裂した絆會(任侠山口組から組織名を変更)でも内紛が勃発し、銃撃事件も発生。一度は山口組から出ていった絆會の組員らが、六代目山口組側に移籍するという事態が起きている。

 このような状況の中、暴力団幹部の口から“2人一組で”と聞いて、組長や幹部の安全確保のために若い衆がボディーガードに付くというだけでなく、組員全員が抗争に向け備え始めたのかと思ったのだ。

 2人一組といえば、『相棒』(テレビ朝日系)を始めとした警察ドラマのように、刑事がペアで動くというのは知られているところだ。その理由は、1人が聞き役でもう1人が相手の動静確認およびメモの筆記役。取り調べの場合は合いの手を入れたり、なだめ役やすかし役など、互いに連携するのだという。

 呼び方は、相棒、相方、連れ、ペアなど人によってまちまち、警察の隠語的な名称は無いらしい。
 
「現象事象の場合は、犯人を追いかけながら連絡調整をする必要もありますからね」

 警視庁の元刑事は2人一組の理由をそう話す。現象事象とは、誰もが事件が起きたと分かる事案、目前の事象のことをいう。捜査中、たまたま目の前でひったくりやケンカ、傷害事件が発生した、交通事故に出くわしたなど突発的に起きた事件も現象事象なる。

「犯人に襲われる、追いかけている途中で反撃され刺されるなどの事故防止の意味もあります。ですが常に複数とはいかないので、単独の時もあります」

 警察だけでなく、ヤクザも山口組が分裂した際は、傘下の組には単独で行動しない、防弾チョッキ着用の伝達がなされたと聞く。襲撃や銃撃など突発的な事件を防止するためだ。高山氏が出所し再び抗争が激化し始めた時も、防弾チョッキ着用の伝達が行われていた。

 ちなみに交番は複数勤務が基本。現在は4日に1回の夜勤がある4交代制だが、交番の数に対して勤務する警察官が足りず、かつて3交代制だった時は当り前だった4~5人での勤務が難しい交番もあるらしい。ヤクザにも、上層組織の組員に下層組織の組員が数人ずつ交代で勤務する当番制がある。警察とヤクザは真逆にあるが、どこか似ているのだ。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン