ただ、あの芸風をそのまま東京で全開でやったら、どんな結果になるか見てみたいです。関西だから許されているところはあると思います。関西で「アホやな」言うたらある意味ちょっと、褒め言葉の部分がありますが、東京の人はカチンとくるでしょう。
関西で絶大な人気を誇っているのは、上沼さんが大阪愛を全面に出してくれるからなんです。ちょいちょい東京のことをおもしろおかしくけなしますからね。そうすると関西の人は「そうやねん」と溜飲を下げる。
今もモノマネがうまい女漫才師や、歌のうまい女性はたくさんおるけど、漫才も、歌も、トークも、何をやらせても天下一品という人はおらんでしょう。女芸人として、不世出の笑わせ屋と思いますよ。
■取材・文/中村計
※週刊ポスト2020年11月20日号