芸能

高嶋ちさ子 バラエティでブレイクから20年、今も支持される理由

怒った後に付け足す“愛の一言”は、「本人がちゃんと悪いところを直した後に言うべし」と話す高嶋ちさ子(撮影/加藤千絵)

バラエティでの活躍が続く高嶋ちさ子(撮影/加藤千絵)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、著書も話題を集めているヴァイオリニスト・高嶋ちさ子(52才)について。

 * * *
 ヴァイオリニスト・高嶋ちさ子著『ダーリンの進化論』が売れている。サブタイトルは「わが家の仁義ある戦い」、帯には「ぶつかりながらも本音で生きる家族はやっぱり楽しい!」とある。

 私は彼女がバラエティ―番組に引っ張りだことなる“きっかけ”を作った『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)構成者の一人であり、近年は、彼女がレギュラー状態の『1周回って知らない話』(同)で頻繁に共演しているせいか、正直、知っているエピソードがたくさん載っていた。が、もちろん知らないこともあったし、事の真相がわかり「そうだったのか」と驚かされる箇所も数え切れないほどあった。

『さんま御殿』がきっかけでブレイク

 高嶋の『~御殿!!』初登場は20年以上も前。立ち上げ当初から関わるスタッフに確認したら、某制作マンのプッシュがあったとのこと。彼女がラジオやローカル局に出始めの頃だったと記憶する。彼女のトークセンスは当時から抜群で、起承転結がしっかりしていて、ちゃんとオチがあって、しかもコンパクトにまとめる天才だった。音楽留学中の話やキャラ立ちな家族の話が特に面白く、初登場ながら、番組を通じてもっともハネたトークに贈られる「踊るヒット賞」を獲得。以来、彼女は3回連続で同賞に輝いた。当時のスタッフ間の評価は「ものすごいのが現れた」「彼女はホントに頭がいい」。当然、『~御殿!!』への登場回数は激増したものだ。

『1周回って知らない話』(同)では、レギュラー放送時こそ「高嶋ちさ子」の人となりを掘り下げる企画だったが、特番になってからは「高嶋ちさ子は今」というべき密着モノとなって久しい。

「12人のヴァイオリニスト」のオーディションや過酷なメンバー入れ替え。舞台上で彼女たちがする自己紹介や私服への厳しいダメ出し(ちなみに高嶋自身のファッション・ポリシーは、着る服の色が3色以上にならないことだ)。母校・桐朋学園大学訪問、“キャラの濃い先輩”葉加瀬太郎や古澤巌との共演。最近では、父の弘之氏や姉の“みっちゃん”(未知子さん)にも出てもらっている。 

 その『1周回って~』初出演のとき、タレントとしてブレイクするきっかけは『~さんま御殿!!』だったというくだりになった。すると彼女は、真後ろのヒナ壇に座っていた私のほうを向き、こう言ったのである。「あのとき、なんで私だったんですか?」と。なぜ、自分がゲストとして呼ばれたのかという意味である。そんなことを聞かれるとは全く想定していなかったので上手に答えられなかったのだが、初登場回のオファー理由は前述の制作マンのプッシュはあれど、「高島(忠夫さん)ファミリーの親戚の美人ヴァイオリニスト」。いまとなっては、その血縁を知る人のほうが少ないだろう。

 また、彼女からは「青学ですよね?」と突然話しかけられたこともある。私が初等部から青山学院に通っていたことをどこかで知ったのだろう。そこからはママ目線で「今、青学って…」と母校のあれこれを度々報告してくれた。

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