ビジネス

JR四国の新観光列車「藍よしのがわトロッコ」 大河人気にあやかれるか

JR四国の観光列車「藍よしのがわトロッコ」。外観は特産の「阿波藍」をモチーフとし、2両編成のうち1両がトロッコ仕様。地元の食材を使った駅弁(要予約)を食べることもできる(時事通信フォト)

JR四国の観光列車「藍よしのがわトロッコ」。外観は特産の「阿波藍」をモチーフとし、2両編成のうち1両がトロッコ仕様。地元の食材を使った駅弁(要予約)を食べることもできる(時事通信フォト)

 NHK大河ドラマの題材が決まると、どんな小さな繋がりであっても、地域の観光と結びつけることが多い。2021年大河ドラマ『青天を衝け』についても、吉沢亮が演じる主人公・渋沢栄一が歴史に残した数多くの関連事物にちなんだものが日本全国に存在している。ライターの小川裕夫氏が、なぜ、渋沢栄一が財を成した藍染産業とゆかりがある観光列車をJR四国が走らせ、京都鉄道博物館で展示することになったのかレポートする。

 * * *
 2月14日から始まった大河ドラマ『青天を衝け』は、初回視聴率20.0パーセント(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。戦国時代の武将や幕末の志士を主人公にしなければ視聴率はふるわないという前評判を覆した。

『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一の生家は藍玉生産や養蚕を家業とする富農で、帯刀も許されていた。タイトルにある”青天”は渋沢が詠んだ漢詩を由来としている。また、渋沢の雅号も”青淵”で、これは藍玉にちなんでいるともいわれる。作中では藍玉づくりに勤しむシーンがたびたび出てくるだけに、”藍”は『青天を衝け』のキーワードでもある。

 現在、藍染めの衣料品は一般的とは言い難い。現代人にとって、藍玉生産で財を築いたと言われてもピンとこないだろう。しかし、江戸から明治までは藍染めの衣料品は広く流通していた。

 渋沢家と同様に、藍で財を築いたのが徳島藩だ。徳島は誰もが知る阿波踊りで有名だが、歴代藩主の蜂須賀家は藍の販路を拡大する目的で、阿波踊りを奨励したともいわれる。阿波踊りが流行すれば、藍染めの浴衣や着物がたくさん売れるからだ。

 藍と徳島県の深い関係は、現在もつづいている。JR四国は昨年から観光列車「藍よしのがわトロッコ」運行を開始した。列車名の「藍」は徳島県名産の藍、「よしのがわ」は四国三郎の異名を持つ徳島県民には身近な河川のことだ。

「JR四国はキハ185系を各路線で運行していますが、それらをリニューアル改造して観光列車としても運行しています。『藍よしのがわトロッコ』は、2019年まで土讃線の高知駅-窪川駅間で運行されていた観光列車『志国高知 幕末維新号』として走っていた車両です。一般車両として走っていたキハ185系をリニューアルして新たな『志国高知 幕末維新号』を走らせることになったので、旧『志国高知 幕末維新号』を『藍よしのがわトロッコ』へ再リニューアルすることになったのです」と複雑な経緯を説明するのは、JR四国営業部ものがたり列車推進室の担当者だ。

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン