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ヤクザと時代の変遷体現した綾野剛 主演作で見せた“集大成”の表現

(時事通信フォト)

今作を自身の「集大成」と語った綾野剛(写真/時事通信社)

 綾野剛(39才)が主演を務める映画『ヤクザと家族 The Family』が1月29日より公開中だ。舞台挨拶直後にはTwitterのトレンド入りするなど早くから話題を集め、映画ランキングでは初登場5位とまずまずなスタート。SNSなどでは「胸が苦しくなるくらい愛で溢れた作品」「この映画に出会えて良かった」といった感動の言葉が多く寄せられている。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんも、作品に釘付けになった一人だ。

 * * *
 ヤクザの世界を“家族”という視点で描いた『ヤクザと家族 The Family』は、映画『新聞記者』(2019年)や『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020年)などを手掛けた藤井道人監督(34才)によるオリジナル作品。企画・製作を河村光庸(71才)が務め、若き名カメラマンとして知られる今村圭佑(33才)が撮影を担当するなど、第43回日本アカデミー賞で主要3部門の最優秀賞に輝いた『新聞記者』の製作陣が再集結した作品だ。

 座組の豪華さは製作陣だけではない。薬物で父親を亡くし、自暴自棄な生活を送る主人公・山本賢治を演じる綾野剛を筆頭に、山本をヤクザの世界に“家族”として迎え入れる柴咲組組長を演じる舘ひろし(70才)、組の若頭役に北村有起哉(46才)、山本の恋人役に尾野真千子(39才)、山本の舎弟役に市原隼人(33才)、山本を慕う青年役に磯村勇斗(28才)など、若手からベテランまで豪華なキャスト陣が骨太な物語を支えている。彼らが“家族”として繋がり、愛情や怒り、喜びや悲しみをぶつけ合う様は見応え十分。上映時間の136分間、スクリーンに釘付けだ。

 物語は、ヤクザの世界を軸に1999年、2005年、2019年という3つの時代を綾野演じる山本を中心に進んでいく。綾野は、3つの時代でそれぞれに立場の異なる“山本像”を体現。年齢を重ねるにつれて変わっていく見た目はもちろん、佇まいや放つ雰囲気まで全てが異なり、山本という一人の男の半生から目が離せない。

 1999年の山本は短気な19才の不良で、まるで狂犬のよう。しかし、撮影当時の綾野は実際には37才。これには驚いた。いかにも不良然とした金髪姿で、当時の一部の若者を象徴するようなダボダボのファッションに身を包み、ノーヘルメットでスクーターを走らせる姿は非常にリアルだ。綾野は、映画『新宿スワン』(2015年)でも30代ながら19才の青年に扮しているが、演じていたのは“フィクショナル”な人物だった。一方、今作での山本は、本当にどこかにいるかのような、危険な10代に見える。歩き方をはじめとする所作の一つひとつは、たしかに1999年に見かけたことのある“怖いお兄さん”であった。

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