ライフ

ペットがいる家庭の避難生活 「自分でなんとかする」心構えが必要

aa

東日本大震災を一緒に乗り越えた野地さんの愛犬、チワワ

 多くの人がペットを飼い、日々の生活の癒やしを求めている。しかし、もしも大地震が起きた場合、ペットと一緒に避難することはそう簡単ではない。状況を理解できないペットたちは、恐怖から必ずパニックを起こすのだ。東日本大震災から10年経ってペットとの避難環境もよりよく変化したが、それでも飼い主の“自助力”が試される。そこで、実際にペットを飼っていた被災者の方に、体験談を聞いた。

 宮城県仙台市の自宅で3匹の愛犬とともに被災した野地雄太さん。現在は、震災での体験を生かし、保険などのペット関連サービスを提供する会社アニコム ホールディングスに勤務している。被災時の状況は以下の通りだ。

●被災時の状況
<住居>
宮城県仙台市。津波被災から1㎞ほど離れた場所の戸建て(津波被害なし)。
<被災場所>
自宅のリビング。高校卒業直後だったため、たまたま家にいた。
<家族構成>
両親、妹(当時中学生)、犬3匹(被災時、父は仕事、妹は学校で不在)。

「震災時は、ミックス犬(10才)、ゴールデン・レトリーバー(7才)、チワワ(4才)の3匹を飼っていました。3月11日の昼食後、母と私の2人は1階のリビングでくつろいでいたのですが、突然ドンッと下から突き上げるような激しい揺れに襲われました」(野地さん・以下同)

 ふと窓に目を向けると、地震の揺れで鍵が勝手に外れ、窓が開いていた。鍵は一般家庭でよく使われているクレセント錠。慌てて施錠するも、揺れるたびに開いてしまう。

「窓が開くたびに、パニックを起こした犬が外に飛び出そうとするので、抱きしめて押さえるのに必死でした。大型犬なので、男のぼくでも全力を出さないと簡単に振りほどかれそうでしたね」

 しつけはしており、普段はいうことを聞く犬だったが、恐怖のせいで飼い主の声は届かなかった。人間以上に恐怖を感じていたことがわかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
阿部慎之助監督(左)が前田健太(時事通信フォト)の獲得に動いているとも
《阿部巨人の「大補強構想」》前田健太、柳裕也、則本昂大、辰己涼介、近本光司らの名前が浮上も、球団OBは「今はそんなブランド力はない」と嘆き節
週刊ポスト
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン