森田にとってりえは、かけがえのないパートナーであり、また、自身の手で新たな将来を切り開いてきた先輩でもあった。
「りえさんは個人事務所に所属し、出演する作品を自分で選び、ひとりで責任を負って仕事に取り組んでいます。仕事のさまざまな交渉やスポンサーへの挨拶回りも自分ひとりでこなしている。そのセルフプロデュース力は卓越しています。そんな姿を間近に見て、森田さんもそうした働き方に憧れを抱くようになったようです」(テレビ局関係者)
2018年3月、ふたりは結婚する。
「森田さんは人見知りで、自分のことを人に饒舌に話すタイプではありません。将来についての相談相手も、自ずとりえさんに限られたでしょう。りえさんの価値観は『転ばない人生はつまらない』。失敗を含めて、さまざまなことにチャレンジしていく姿勢が大事という考えです。
もちろん森田さんには演技を究めるという目標はあるのでしょうが、それだけでは事務所を辞める理由にはなりません。りえさんのように、“自分でリスクをとる代わりに、自由に生きていく”というスタイルに憧れたのでしょう」(前出・舞台関係者)
実際、森田はりえとの結婚直前、雑誌のインタビューでこう語っている。
《もっと自由な感覚で、自由に演技をしていきたい。四〇は通過点で、五〇までに経験値を積んで、その後は自分の思ったことを何の束縛もなく出せるようになりたい》
「退所後、りえさんの個人事務所に入るのでは、という話が一部出ましたが、森田さんは個人事務所を立ち上げ、ひとりで活動することになりそうです。ただ、当然、りえさんに相談することもあるでしょうし、公私ともに欠かせないパートナーになりました」(前出・芸能関係者)
結婚前に起きた忘れられないトラウマ
りえの活動にも、森田の“アイドル引退”と退所は少なからず影響はありそうだ。森田との交際以降、“自由な生活”が脅かされたことがあった。結婚前の2017年12月のことだ。
「それまで更新していたインスタグラムを突如、削除したんです。約10万人のフォロワーがいたのに、閉鎖せざるを得なかった。理由は森田さんのファンからのコメントでした」(前出・芸能関係者)
りえが森田の主演舞台『すべての四月のために』を娘(11才)とともに見に来ていたことが目撃されたことがきっかけだった。りえのインスタには《娘さんと来てた。死にたくなった。〈略〉りえさんが悪いんじゃない。わたしがバカなだけ》《ふざけんな。森田剛はアイドル、そんな人の現場に安易に入り込んでくるとか信じられない》というコメントが殺到した。
「その後、りえさんは2輪の花の写真とともに《不快な思いをさせてしまった方達、ごめんなさいね》とすぐに謝り、インスタを消去。業界からは、“ファンの批判に反論しなかったのはさすが”という好意的な声があがりました。が、本人が忸怩たる思いを抱えていたのは想像に難くありません。森田さんもりえさんに対して申し訳ない気持ちを抱いていたはずです」(前出・テレビ局関係者)
ジャニーズJr.時代から絶大な人気を誇ったアイドルの森田には、熱狂的といえるファンが多い。一部のファンの暴走とはいえ、りえを傷つけてしまったことは、森田の心に影を落としただろう。
「それはアイドルの宿命みたいなものだと、森田さんもりえさんも理解していたはず。一方で、いずれは平穏な生活のために、アイドル活動に一区切りをつける必要性も感じていた。りえさんにとっては、幾度も身を焦がすような恋愛を経て、ようやく掴んだ“安らげる年下の恋人”。森田さんとの子供がほしいと、一時は妊活もしていたほどです。そんな妻の愛情も、森田さんを新しいステージへと押し上げたのかもしれません」(前出・芸能関係者)
森田の心の奥底は、25年寄り添ったメンバーたちこそ、よくわかっているはずだ。
※女性セブン2021年4月1日号