国内

戦慄の「コロナ狩り」 町で最初の感染者宅がブルーシートで覆われる

aa

愛知県豊川市では「コロナ差別」をなくすキャンペーンを実施(写真/時事通信社)

 東京都などでの緊急事態宣言は解除されたが、まだまだ油断は許されない新型コロナウイルスの恐怖。感染が恐ろしいのは言うまでもないが、都会に比べて人とのつきあいが密接な地方では感染情報が伝わるのが早く、“魔女狩り”さながらの“コロナ狩り”が起きるケースもある。

 あまりに痛ましい悲劇が起きたのは東北地方のある県だ。専業主婦のAさん(50代)のもとに昨年、首都圏の大学に通う息子が帰省した。感染防止のため息子は外出を控えていた。だがわずかな息抜きで犬の散歩をする最中にご近所の80代女性Bさんと久しぶりに顔を合わせ、つい20分ほど立ち話をした。すると翌日に息子が発熱し、検査したところコロナ陽性となり、指定病院に入院した。Aさんの知人が言う。

「その翌日には息子さんの陽性が近所中の噂になり、自治会の役員数人が事実確認にきたそうです。それだけならまだしも、息子さんの入院から5日後にBさんが発熱と呼吸困難で緊急搬送され、コロナ陽性が判明しました。感染ルート調査で息子さんとの接触が浮かび上がるなか、Bさんは感染から3日後に亡くなってしまったそうです」

 その後、Aさんの90代の義母が旧知の仲だったBさん宅に駆けつけると、骨壺を抱えたBさんの息子がこう叫んだという。

「誰のせいだと思っているんだ! あんたのとこの孫がばあちゃんを殺したんだ!」

 大きなショックを受けた義母はその場に崩れ落ちたが、悲劇はこれで終わらない。

「義母は帰宅後、Aさんから一部始終を聞いて孫の行動に責任を感じたようで、『Bさんには本当に申し訳ない』と肩を落としていたそうです。翌朝、Aさんが義母の住む離れに朝食を届けに行くと、義母は農薬をのんで自殺していたといいます。離れのテーブルの上には、Bさんと一緒に撮った写真が置いてあったそうです」(前出・Aさんの知人)

 北関東在住のCさん(50代)のもとには昨年、仕事をリストラされて住む家がなくなった30代の息子一家が東京から出戻った。狭い地方で息子一家の帰郷を知った周辺住民が迷惑がるなか、息子の妻に陽性反応が出た。すると息子一家全員が「ばい菌扱い」された。Cさんの親族が言う。

「子供を庭で遊ばせているだけで、『風が強くて菌が飛ぶから家から出すな』と電話が入り、道を歩いていた息子一家はいきなり消毒スプレーを吹きかけられたこともあったそうです。ひどいときは牛糞を投げつけられ、車をパンクさせられることもあった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト