子供がいる場合ならどうか。別の離婚経験者が語る。
「養育費ももらっていたし、娘と元夫の仲は良好です。離婚したのはもう20年も前ですが、娘の結婚式には双方が出席し、大人の対応で乗り切りました。ところが、娘の家に孫の顔を見に行ったら、まさかのバッティング……。数日後、涙があふれて胃が痛くなり、大変でした。二度と会いたくない」(59才・自営業)
子供が夫婦の緩衝材になるとは限らず、なかには、まだ幼い子供との面会交流があるため、なかなか縁が切れないことが負担となっているケースも多い。岡野さんは「仲よし離婚」に至るには、お互いへのリスペクトが欠かせないと話す。
「離婚した後も仲よくなれるかどうかは、離婚時にもめるかどうかで決まってくる。さんまさんとしのぶさんは、離婚時にもめずにちゃんと話し合い、お互いが認め合える離婚ができたのでしょう。いろんな夫婦がありますが、一度は好きになった相手です。『この人と出会ったから今日がある』と思える離婚を目指せば、離婚後の人生がもっと充実するはずです」
しかし、「好き」という感情は厄介なもの。「いい離婚」の妨げとなりかねない。たとえば、木下優樹菜(33才)と、お笑いコンビFUJIWARAの藤本敏史(50才)元夫婦。離婚後も同じマンションの別の部屋に住み、2人の子供の育児を協力して行う仲のよさから「偽装離婚」との噂もあるが、「フジモンとユッキーナ」は「さんまとしのぶ」にはなれないと岡野さんは言う。
「浮気騒動のあったユッキーナに押し切られて離婚したのでしょうが、女々しいフジモンはどうしても彼女が好きで離れらない。ユッキーナの方は、ほかの男に一度は行ってみたものの、よく考えたらフジモンの方がよかったと気づき、のこのこ戻ってくる。私がフジモンの親なら許しませんが、戻ってくる女性はちゃっかりしています。
『ちゃっかり』と『女々しさ』が合致すると離婚後も仲よしでいられますが、さんまさんとしのぶさんのように、お互いが認め合った上での『仲よし離婚』とは違う。離婚は、好きすぎると女々しくなるし、嫌いすぎると闘いになる。『ほどほどに好き』でなければならないのです」
さんまとしのぶの絶妙な距離感は、2019年に放送された『誰も知らない明石家さんま 第5弾』(日本テレビ系)内での2人のトークからも垣間見える。
《友達でもないし、知り合いでもないし、いまは家族でもないけど、親戚でもないし、不思議な関係》
そう話すしのぶに、「知り合いは知り合いやろ」とツッコミを入れつつ、さんまがこう続ける。
《ただ、IMALU、二千翔の父っていうこと。いまもね。これが「元」がつかないねん。元旦那やけどね》
名言を残したさんまに、《「おれ、いいこと言ったやろ」って絶対思ってる。そこまでわかるのが、私》と、しのぶが間髪入れずに切り返してVTRは終わる。
「離婚した夫婦は、共演NGが常識。キャスティングで気を使わないのは、さんまさんとしのぶさんくらいです。別れたから言えることもあるのでしょうが、さんまさんとしのぶさんは、意識していろんなことを話すようにしていると聞きます。その努力があるから、いまでもいい関係を保てるのでしょう」(テレビ局関係者)
世の夫は、さんまほどおしゃべりでもなければ、話もつまらないだろう。しかし、還暦を過ぎてもなお、誰よりも信頼できるパートナーになるためには、「ほどほど」に話し合うことが欠かせないようだ。
※女性セブン2021年4月15日号