大ヒット「金麦」開発に時間がかかったワケ
――ビールに限らず、最近は健康志向やニーズの多様化もあって、ノンアルコール商品が増えてきました。実際、ノンアルワインにも注力すると明言しているメーカーもあります。
吉雄:まだ具体的に言える段階ではありませんが、われわれももちろんノンアルワインの開発は検討しています。私自身、過去にノンアルコールビールテイスト飲料の「オールフリー」を手がけた経験があるので、ノンアル商品を購入されるお客様の購買行動や嗜好は十分にウォッチしてきています。
――過去、「オールフリー」のほかに、ビールや清涼飲料でどんな商品開発をされてきたのですか。
吉雄:ビールと飲料関係は、それぞれ12年弱ぐらいずつ携わってきました。思い出深い商品の1つは、2007年に発売した新ジャンルビールの「金麦」ですね。その前年から発売した、同じ新ジャンルの「ジョッキ生」がヒットしましたが、私自身は「ジョッキ生」の商品開発に関わった後、一度、産休と育休でお休みをいただいています。
その後、「ジョッキ生」を発売した直後ぐらいに復職したのですが、以前から「金麦」の商品構想を温めていましたし、売れるという自信もあったので社内でプレゼンテーションしたんです。
でも、当初は難色を示されました。理由は、「ジョッキ生」がヒットしたばかりで新商品は時期尚早ではないかという判断があったからです。ですから、「金麦」の開発にゴーサインが出るまでには時間を要しました。