阪神競馬場のパドック
ストゥーティの母リラヴァティはチューリップ賞3着で権利を獲ったが桜花賞は9着。その妹シンハライトは6戦5勝のオークス馬だが、たった1度の敗戦が桜花賞(2着)。1歳下の妹ミリッサは、チューリップ賞僅差の4着で桜花賞の権利を獲ることができなかった。今回チューリップ賞の1着同着馬が人気になっているが、3着だったストゥーティもコンマ1秒の僅差だった。
シンハライトが勝ったオークスの2着馬がチェッキーノ。チェッキーノはアネモネSを勝ちながら、その疲れが抜けずに桜花賞を回避しているが、その5歳下の妹がジネストラだ。母ハッピーパスは当時まだ社台RHの勝負服で桜花賞に出走しており、3番人気4着に終わっている。
2015年に母がつい先日まで現役だったレッツゴードンキの2着だったククナ、姉が昨年2着だったシゲルピンクルビーは、一族あげての無念さがまだまだのような気もするが、やはり雪辱を期している。
これら一族の“無念のオーラ”(?)を一身に受けるのが、三冠牝馬の子アカイトリノムスメ。GⅠ5勝の母アパパネ、GⅠ7勝の父ディープインパクトの子にしては物足りないかもしれないが、兄たちはそこそこ優秀。長兄モクレレこそ2勝クラスだが、ジナンボーは重賞勝ちまであと一歩、三男ラインベックはクラシック出走も果たした。そして三冠夫婦初めての女の子は、デビュー戦こそ出遅れが響いて7着だったが、その後はクイーンCまで3連勝。そもそも桜花賞馬の子が桜花賞を勝てば史上初の快挙、三冠馬を両親に持つムスメが三冠馬になる可能性だってあるわけだ。
もちろんそんな世の中は面白くない。無念の思いが強い3頭の単複、人気上位馬と組み合わせた馬連と3連単で高配当を狙う。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
