新築マンション購入は「ちょっとしたギャンブル」
しかし、だからといって「売り主が大手だったからよかったね」と済ましていいものだろうか。夢をもってタワマンを購入し、そこに住んだらとんでもない欠陥住宅だったという悲劇を味わったわけだ。1割程度の割り増しでの買い戻しで、その不愉快さや絶望感は贖えるのだろうか。私は大いに疑問に思う。
では、一般消費者として、こういう欠陥住宅を買わないためにはどうすればいいのか? 私は相談者に対しては、いつも次のように申し上げている。
「新築マンションを購入するということは、ちょっとしたギャンブルですよ。まず、施工不良である可能性があります。大手なら確率は低くなりますが、ゼロということはありません。どんな大手企業でも、過去に施工不良をやらかした実績があります。
施工不良を避けたいのなら、新築ではなく築10年程度の中古にすればいいいでしょう。施工不良のマンションなら、ほぼ確実に建物の不具合が10年以内に表れます。築10年に満たないのに雨漏りや水漏れが発生していたり、騒音のトラブルが多発しているようなマンションは、ほぼ施工不良と考えていいでしょう」
マンション購入というのは多くの人にとって一生に何度も経験しないことだ。これに慣れている人など、めったにいない。
「一流企業が売り主だから」とか「タワマンだから」絶対的に安心できるとは限らない。かといって、新築時に施工不良を見抜くのは、たとえ建築の専門家であっても容易いことではないのだ。