芸能

「土曜21時」境に一変 佐藤二朗の“凄み”「ついに本気出した」評も

佐藤二朗

バラエティからドラマまで活躍する佐藤二朗

 佐藤二朗(52才)が「ついに本気を出した」と注目を集めている。俳優としての演技やバラエティでのMCなどで、コミカルなイメージのある佐藤だが、最近、ひきこもり役のシリアスな演技が話題を呼び、自ら出演、脚本・監督を手がける映画も公開された。新たな一面を見せる佐藤についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 ちょうど一週間前の12日夜、佐藤二朗さんがネット上の話題をリードしていました。まず19時~21時にMCを務める『99人の壁』(フジテレビ系)に出演。MCという立場でありながら、平成・令和のヒットソング、アニソン、ドラマ主題歌などをハイテンションで熱唱して笑いを誘っていたのです。

 時計の針が21時をまわると、主演ドラマ『ひきこもり先生』(NHK)の初回放送がスタート。二朗さんは38歳から11年間にわたってひきこもり生活を送り、中学校の非常勤講師を務めることになった主人公の男性を演じています。

 二朗さんと言えば、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)などで見せたコミカルな演技のイメージを持たれがちですが、同作では笑いを封印して元ひきこもりの男性を熱演。MCとしてクイズ番組をハイテンションで盛り上げていた姿から一変して、シリアスな演技を見せたため、「佐藤二朗の振り幅が凄すぎる」とネット上をさわがしていたのです。

 二朗さんの振り幅は、これだけではありません。今月4日に公開された映画『はるヲうるひと』では、パブリックイメージとは異なる「怖い男」としての演技を見せたことに加えて、脚本・監督も手掛けました。

 さらに、12日午後には生放送番組の『土曜スタジオパーク』(NHK)に出演。スタジオ登場の第一声で「生放送……今日はおしっことおならを我慢する。大人ですから」と笑わせたり、涙ぐみながら作品への思いを語ったりと、ここでも振り幅の大きい姿を見せて視聴者を驚かせました。ハイテンションのMC、元引きこもりの男、怖い男、映画監督、脚本家、生放送でのトーク。何でもこなすスーパーマンぶりを見せているのです。

実は国立大卒というインテリの顔も

 コミカルな演技のイメージが強いからか、あまり知られていませんが二朗さんは、『家政婦のミタ』などを手がけた脚本家・遊川和彦さんが「ドラマ史に残る」と絶賛した『わたしたちの教科書』(フジテレビ系)を筆頭に、『医龍-Team Medical Dragon-2』(フジテレビ系)、『JIN-仁-』(TBS系)、『ブラックリベンジ』(読売テレビ・日本テレビ系)など複数の作品でシリアスな演技を披露していました。

 コミカルな演技は二朗さんが持つ引き出しの1つに過ぎないのです。二朗さん自身、そんなパブリックイメージのミスリードを自覚していて、映画『はるヲうるひと』のPR時には、「(主演の山田孝之と自分のことを)“ヨシヒコと仏”としか思っていない人は、1人残らずこの映画を見やがれ。そんな気持ちでいます」とコメントしていました。

 今作は二朗さんが主宰する演劇ユニット「ちからわざ」で手がけた作品を自ら映画化し、監督、脚本、出演のすべてを担う姿勢を見て、業界内では「佐藤二朗が本気を出した」という声が挙がっていました。業界のクリエイターや俳優仲間たちは、その凄さを知っているようなのです。ただ、映画監督は2008年の『memo』に続いて2本目であり、その他にもドラマの脚本も手がけるなど、やはり多才な人なのでしょう。

 二朗さんはバラエティへの出演時に、「精神年齢8歳の51歳児」とキャッチフレーズのように言って自虐していますが、実際はインテリの顔も。猪瀬直樹元東京都知事もOBである国立の信州大学を卒業し、1日で退社したもののリクルートに入社しました。また、今春から歴史教養番組の『歴史探偵』(NHK)でMCに起用され、そつなくこなしていることからも、聡明さがうかがえます。

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン