もしも、長官が拝察した胸の内を明かしていなかったなら、雅子さまは開会式に出席されても、されなくても、批判の的になっていた可能性がある。
「出席されれば『感染に不安を抱く国民を理解していない』と言われ、欠席されれば『大事な公務なのに』とされていたでしょう。しかし、開催に当たっては何よりも感染拡大防止を一番に、という陛下のお考えが公になったことで、いずれの批判の芽も摘むことができ、雅子さまの精神的な負担を減らすことができました。国民も納得しやすくなります。陛下はそこまでご懸念されて、長官に意を託されたのでしょう」(前出・皇室記者)
課せられた使命を全うする意思、国民を思う気持ち、そして、雅子さまへの配慮。それらすべてを、直接のお言葉ではなく、宮内庁長官の拝察という形で表明された。
その陛下の思いを知ってか知らずか、菅首相は、観客の上限を1万人、開会式に限っては倍の2万人としての有観客開催へと突き進んでいる。開会式までは1か月を切っている。その日までに、感染対策はどのように強化されるのだろうか。そして陛下は、雅子さまはどのようなお気持ちで当日を迎えられるのだろうか。
※女性セブン2021年7月15日号