細川氏は「匿名コメントには弊害もあります」と指摘する。
「政府の高官や幹部と言われても誰が該当するかが幅広く、読者や視聴者はその人に本当に権限があるかどうかわかりません。とくにアドバルーン目的の場合は、記者がいいように利用されている面があります。匿名コメントが本当に真実を伝えているかどうか、記者は自問することが必要でしょう。政治をわかりやすく伝えられる反面、メディアが政治家に利用されることは避けるべきです」
読者や視聴者の側も匿名コメントを鵜呑みにせず、その背景にある「狙い」にまで思いを巡らせることが求められそうだ。
●取材・文/池田道大(フリーライター)