みやざわクリニックのトイレ。殺菌灯の青い光が見える(提供写真)

みやざわクリニックのトイレ内部。ドア上部から奥の壁に向けて照射される殺菌灯の青い光が見える(提供写真)

 宮澤医師は、市販の殺菌灯でも効果を得られるかを確認するため、大阪府立大学放射線研究センターの秋吉優史准教授に検証を依頼。秋吉准教授が前述のボストン大の研究結果を元に試算したところ、1本数千円で購入できるパナソニック製40W蛍光灯型殺菌灯(GL-40)を使った場合、空気中の新型コロナウイルスの乾いた飛沫及び濡れた飛沫に対し、距離20cm・約2.3秒照射で99%、距離50cm・約5秒照射で約9割を失活させるという結果が得られた。市販製品でも十分な効果が得られるという。

「太陽光に含まれる紫外線には、波長が長い順に、UVA(320〜400nm)、UVB(280〜320nm)、UVC(100〜280nm)があり、地表に届くUVAとUVBは日焼けを起こしたりします。UVCはオゾン層でカットされ地表には届きませんが、新型コロナウイルスに対してもっとも効果がある紫外線の波長は260nmで、UVCの領域です。

 従来からある殺菌灯は254nmの紫外線を照射し、260nmに近いので殺菌効果が高く、蛍光管の単価も1本数千円と安い。ただ、直接浴びると皮膚や目に炎症を起こします。

 一方、ウシオ電機が販売している『Care222』という抗ウイルス・除菌用紫外線照射装置は、波長が222nmで目や皮膚の表層にしか到達しないので、人体には比較的安全性が高い。ただ、価格が数十万円と高価なのがネックです」

 宮澤医師のクリニックでは、従来型の40Wの殺菌灯を10本、天井近くの側面に設置して、紫外線を真横と上方に向かって照射。サーキュレーターで空気を循環させて紫外線のゾーンへ送り込む方式とし、患者や医院のスタッフが直接紫外線を浴びないように工夫している。1年間運用して、健康被害はもとより、患者やスタッフが日焼けしたといった事象も起きていないという。

 天井付近に設置して、紫外線を真横に照射するという方法は、米CDC(疾病予防管理センター)も推奨している。CDCは、室内におけるコロナ対策として、公式サイトに「Upper-Room Ultraviolet Germicidal Irradiation(UVGI)」(室内上層の紫外線殺菌照射(UVGI)について)と題した特設ページを設けて紹介し、病院の待合室や学校・会社のカフェテリア、飲食店、ホテルのロビーなど、換気が難しい場所やマスクをはずさなければならないような場所で有効としている。

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