ミオドレナージでは、こり固まったデブ筋を柔らかくほぐし、本来の状態に戻すことで大幅に代謝を上げ、肥大化した脂肪細胞を破壊することができる。
「脂肪細胞の中の中性脂肪は、もみほぐす刺激によって分解され、血管に流れ出ます。すると、脂肪細胞の中には水分が入ってくる。さらにマッサージを続けると水分も排出されて、脂肪細胞そのものが小さくなっていくのです。同時に、古くなった筋肉細胞を押し流してデトックスし、質のいい筋肉を育てることにもつながります。つまり、マッサージによって、筋トレと同じような効果を得ることができるのです」
また、マッサージによって筋膜がほぐれることで、筋肉の動きがよくなる。
「筋膜とは、筋肉をぴったりと包んでいるコラーゲンでできた薄い膜で、硬くなりやすい性質があります。運動不足などで筋膜が硬くなると、包まれている筋肉も充分に動けなくなり、血行が悪くなる。すると、筋膜は筋肉にベッタリと癒着し、より硬くなって筋肉の動きを妨げる悪循環になります。張りついた筋膜をはがすことで、柔らかく、質のよい筋肉にすることができます」
質のよい筋肉は、当然、血行がよく、全身の代謝も上がる。
さらに、マッサージによって筋肉を柔らかくすると、それまで硬くゆがんだ筋肉に引っ張られていた骨や内臓なども正常な位置に戻る。これにより、O脚やほおのえら張りといった、全身のさまざまな悩みの改善も期待できるという。
「血行や代謝だけでなく、リンパの流れもよくなるので、デブ筋をほぐすことは、ダイエットだけでなく、冷え、肩こり、むくみなど、血行不良に伴うさまざまな悩みも改善します」
激痛だけど、劇的。「デブ筋ほぐし」のコツ
デブ筋をほぐすマッサージは、(1)押す、(2)もむ、(3)流すの3ステップ。自宅で行うなら、全身のデブ筋を7日間かけてほぐす、集中プログラムがおすすめだ。
「もんだり流したりするマッサージの前に、2日間かけて、筋肉と筋肉の境目にあたるくぼみを刺激してください。ここは、複数の筋肉の始まり、または終わりであると同時に、太い血管やリンパ節が集まっている場所でもあります。そのため、指の腹で強く押して刺激することで血液やリンパの流れがよくなり、その後のマッサージの効果が上がります」
押すときは、指が骨に当たるくらいの強さをイメージして、ギューッと思いきり押す。小野さんによれば、よくある一般的なマッサージのような“痛気持ちいい”力加減ではなく、「イタタタ!」と思わず声が出てしまうくらいがベストだ。
「痛いということは、それだけ筋肉が硬くなっているということ。マッサージを続けて筋肉が柔らかくなれば、痛みは軽減していきます。筋肉は、強く刺激すると、最初は硬くこわばります。しかし、何度も同じ刺激を繰り返し与えると、次第に抵抗をあきらめて、ゆるむ性質を持っています。デブ筋は、とても素直なのです。
同じ力加減でマッサージしたときに“痛い”が“痛気持ちいい”に変わってきたら、やせやすい体に生まれ変わった証拠。施術に通っている女優やタレントも最初はとても痛がっていましたが、繰り返すうちに慣れてきて、いまでは涼しい顔をしています(笑い)」