聖隷クリストファーの練習場の壁に貼られたスローガンからは、悔いが残る戦いをしたくはないという思いが伝わってくる

聖隷クリストファーの練習場の壁に貼られたスローガンからは、悔いが残る戦いをしたくはないという思いが伝わってくる

静岡県高野連理事長の「改選には臨まない」

 当確だった東海大会優勝の日大三島(静岡)に続く2枠目が、8人の選考委員による投票で決まったのか、話し合いで決まったのか。私のもとには意見が真っ二つに分かれ、最後は委員長裁量で決まったという情報も寄せられていた。だが、いかなる形で大垣日大に決まったかは、渡辺理事長も最後まで明かさなかった。ならば、大垣日大に代表が決まった時、何を思ったのか──渡辺理事長は深いため息を吐き、こう続けた。

「どう思われましたかと言われても……大変なことになるとは思いました。準優勝したチームが選ばれないわけですから、それは当然……」

 日本高野連とのやり取りについても進捗を訊ねた。

「いろいろお伝えしています」

 しかし、静岡県高野連がいったい何を目的として日本高野連に連絡を入れているのか判然としない。

「私たちが状況を伝えるのは、何のためか。日本高野連も分かってらっしゃると思って動いています。とにかく聖隷さんのためになること。あとは、静岡県の野球をやっている球児のため。いろいろあると思うんです。1枠増やすという案もあるし、あの発言はどういう意味だったのかということの説明もある。必死になってやっている。こんな言い方しかできないです」

 選考委員のひとりとして、大垣日大が選出された最終結果には責任を持つ立場ともなる。

「総会や取材で鬼嶋委員長がお答えになった理由が(選考委員8人の)総意だと私は認識しています。あの発言の通り、あれ以上でも、あれ以下でもない」

 しかし、「個々の能力の差」「投手力の差」「甲子園で勝てるチームを選んだ」という発言に聖隷のナインは傷ついている。

「はい、最後の発言で傷つけてしまったとは思っています。喋られたのは鬼嶋委員長ですが、選考委員の総意でありますから、申し訳ないというか、責任は感じています」

 選抜を主宰する日本高野連と毎日新聞から委嘱された選考委員としての仕事を、全うできたと思うか──取材の最後に渡辺理事長に問うと、「今回の件があるからというわけではないですが」と前置きした上で、こう続けた。

「ちょうど理事長としての任期が終わりますので、この立場は自分には無理だなと感じた。この1年はとりわけ、静岡県高野連の理事長としていろいろやってきて、自分には資質がないなとすごく感じた。静岡の高校野球をダメにしちゃうのかなと思う部分があって、改選には臨まないと思います」

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