時事通信フォト

人気番組であり続ける(時事通信フォト)

●三代目司会者・三波伸介さん(1970年12月~1982年12月)

 50代以上の方にとっての「笑点」は、三波さんが司会のときのイメージが強いかもしれませんね。歴代最高視聴率の40.5%(ニールセン調べ、関東地区)を記録したのも、三波さんが司会をなさっていた1973年のことです。

 あの方は、ぼくたち大喜利メンバーの個性を引き出しつつ、全体を楽しく盛り上げる手綱さばきが見事でした。大衆演劇の出身でコメディアンですから、いろんな笑いの寸法が頭に入ってるんですね。歌丸さんと小園遊さんの罵り合いや、ぼくの「いやんばか~ん」が番組の名物になったのも、三波さんが上手にリードしてくださったおかげです。

 若い頃に浅香光代さんの一座にいたこともあって、演劇にはめっぽう詳しかったですね。番組の特番で歌舞伎の『勧進帳』をやったときに、ひとりずつ細かい動きを振りつけてくれたのはビックリしました。セリフから見得の切り方から、全部頭に入っているんです。三波さんのお得意のフレーズじゃないけど、「ビックリしたなあ、もう」でしたね。

 映画のこともよくご存じで、モノマネも得意でした。ぼくが大喜利で昔の映画スターのモノマネをやると、掛け合いでモノマネをかぶせてくれるんです。「丹下左膳」の大河内傅次郎さんの口調で「シェイはタンゲ、ナはシャゼン」なんて言ったりして。

「笑点」が人気番組としてお茶の間に定着したのは、三波さんのおかげです。もっとたくさん、古い映画の話とかしたかったですね。

●四代目司会者・三遊亭圓楽さん(1983年1月~2006年5月)

 三波さんの次が、先代の五代目三遊亭圓楽さんです。番組が始まったときからの大喜利メンバーでしたが、「落語に専念したい」と言って、1977年に番組を一回「卒業」しました。三波さんが急死して、司会者として戻ってきてくれたんです。

 本人は「最初は2回だけのピンチヒッターって約束だったんだ」と言ってましたが、それから23年にわたって司会を務めました。今のところの最長記録です。圓楽さんに戻ってきてもらうのは、大喜利メンバーの願いでもありました。

 圓楽さんは「落語界をどうにかしなければいけない」と、いつも考え続けていました。幕末の志士みたいに熱い想いを持った人でしたね。「笑点」を降りたちょっとあとに、師匠である六代目三遊亭圓生師匠とともに落語協会を飛び出したんですけど、それから1年ちょっとで圓生師匠が亡くなりました。

 今さら協会に戻れないから自分の一派を作って、弟子たちに修行させる場が必要だからと、大きな借金を背負って「若竹」という寄席も建てたんです。結局「若竹」は4年半で閉めることになりましたが、番組の中では長くネタになっていましたね。

 司会を長く続けたのも立派ですけど、「笑点」におけるあの方の最大の功績は、六代目三遊亭円楽さんと三遊亭好楽さんをメンバーに入れたことですね。ふたりが長くメンバーを続けているってことは、圓楽さんの見る目が確かだったってことです。それにしても、いくら番組の最初から関わっているとはいえ、出演者が人事をいじれたというのがすごいですよね。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン