芸能

東海林のり子と前田忠明が語る「芸能レポーターが今なお必要とされる理由」

芸能レポーターの東海林のり子氏と前田忠明氏が対談

芸能レポーターの東海林のり子氏と前田忠明氏が対談

 梨元勝氏(享年65)が2010年に死去し、井上公造氏(65)が今年3月に引退するなど、芸能レポーターという職業は、もはや化石となりつつある。しかし、現場主義を貫く彼あ彼女らがいたからこそ伝わるものもあった。ベテラン芸能レポーターの東海林のり子氏(87)と前田忠明氏(80)が、その仕事の意義について振り返った。今も昔も変わらない、レポーターにとって大切なこととは──。【全4回の第4回。第1回から読む

 * * *
前田:あの頃はタレントの結婚や離婚を取り上げると、視聴率がグッと上がったんだよね。

東海林:芸能人の結婚式をゴールデンタイムで中継していたもんね。

前田:松田聖子が郷ひろみとの破局を公表した時、「もし今度生まれ変わってきた時は絶対に一緒になろうね」と話したと言ったじゃない?

東海林:あったわね。

前田:その5か月後、聖子が神田正輝と結婚した。その会見で、レポーターの須藤甚一郎が「聖子さん、生まれ変わってもまた一緒になりたいですか?」と聞いていたな。今じゃ、叩かれそうだけど。当時の芸能レポーターはやり過ぎな面が多々あったよ。

東海林:私も、事件の犯人の住むマンションの前でカメラを回して、「8階の右から2番目の部屋です。ベランダの木が揺れてます」と伝えていたし、近所もよく取材したわ。

前田:離婚しそうなタレントの家の周辺で聞き込みすると、よくしゃべってくれるんだよ。

東海林:昔は携帯電話がないから、田舎に行くと誰かご近所さんの家の電話を押さえてたわね(笑)。

前田:親しくなって、家へ上がり込んで使わせてもらっていた。向こうも貸してくれたんだよ、レポーターを知ってるからね。

東海林:時には、庭に勝手に入って怒られたこともあった。本当にいけないことだし、不法侵入なんだけど、深く知りたい気持ちが上回っちゃったの。

前田:伝えたいんだよね。そしたら、「ワイドショーはロクなもんじゃない」って言われるようになった。その通りだよ。個人情報保護法を作る契機になったと思うよ。

東海林:直撃だけじゃなくて、会見もほとんどなくなったわよね。たまにあるけど、レポーターもいつも取材しているわけじゃないから、良い質問ができない。

前田:神田沙也加さんが亡くなった時、聖子と正輝に「今のお気持ちは?」はないよな。

東海林:昔は若いレポーターが会見で余計なことを聞くと、梨元さんや忠ちゃんが叱ってたもんね。

前田:やっぱり、聞いて良いことと悪いことがあるんですよ。その一線は引かないといけない。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン