「それは水の飲みすぎです。夏場は600〜700mlほどの汗をかくため、熱中症予防のためにも水分摂取は必要ですが、足が浮腫む場合は、明らかに過剰摂取です。
心臓は、過剰に摂った水分を一気に処理することはできません。口いっぱいに水を含むと飲み込めなくなるのと一緒で、心臓は収縮を繰り返す中で、過剰な水分で広がりすぎると、必要な血液まで送り出せなくなります。これが原因で心不全を引き起こすのです」
では、水分摂取の適量はどのくらいなのだろうか?
「年齢や体格差があるので、一概には言えませんが、診療のときは、“水かお茶を1日1Lちょっと”と伝えています。それで物足りなければ、1.5Lまでが許容範囲。夏場のスポーツ飲料は熱中症対策にはなりますが、糖分が含まれているため、血糖値が上がります。やはりふだんの水分補給は水かお茶がおすすめ。毎日同じ時間に体重を測って変動がないかチェックして、体重が増えていれば水分量を少し減らした方がいいでしょう」
いつまでも若く元気でいるためには心臓のケアは不可欠。
【プロフィール】
別府浩毅さん(45才)/心臓専門医(循環器専門医)べっぷ内科クリニック院長。著書に『心臓専門医が教える! 健康長寿の人が毎日やっている心臓にいいこと』(自由国民社)がある。
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2022年6月9日号