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フジテレビ港浩一・新社長に問われる手腕 10年で5度目となる頻繁な社長交代

頻繁な社長交代が経営にどう影響するか(フジテレビ本社)

頻繁な社長交代が経営にどう影響するか(フジテレビ本社)

 頻繁なトップの交代がフジテレビにどんな影響を与えるのか。フジテレビでは6月29日開催予定の株主総会と取締役会を経て、港浩一氏が新社長に就任する予定だ。1976年入社の港氏はフジ全盛期の1980年代に『夕やけニャンニャン』『オールナイトフジ』『とんねるずのみなさんのおかげです』などを担当し、絶好調時代の局を支えた社員だ。テレビ局関係者が話す。

「現・社長の金光修氏の1年での退任には驚きました。日本テレビも杉山美邦氏が1年で会長に転じますが、フジテレビは最近この10年で社長の交代は5度目です。同じ時期、日本テレビとテレビ東京は3度、TBSは2度です。テレビ朝日は4度ですが、今年から早河洋氏が8年ぶりに復帰しています。他の局と比べて、最近のフジテレビの社長交代ペースは早いと思います」(以下同)

 昭和末期以降のフジテレビの社長を見ると、現・取締役相談役の日枝久氏は1988年から2001年まで13年、その後の村上光一氏、豊田皓氏はそれぞれ6年務めた。最近のような頻繁な交代はなかった。

「フジテレビは1982年から1993年まで、そして2004年から2010年まで視聴率三冠王を達成しました。三冠王ではない時も2位に付けていましたし、局の業績は良く、就職活動生の憧れの企業でもありました。好調だからこそ、経営陣を大きく入れ替える必要もなかったのでしょう」

 フジテレビは2011年に三冠王の座から転落する。その2年後、プロデューサーとして『あすなろ白書』『ロングバケーション』『踊る大捜査線』など数々のヒットドラマを生み出した亀山千広氏が再建を託された。

「亀山氏は改革を断行しました。就任翌年には、日本を代表するお昼の番組『笑っていいとも!』を終了させて『バイキング』を始め、全社員の3分の2にあたる約1000人を部署移動させた。2015年春には新しい午後の情報番組『グッディ!』を始め、夕方の『スーパーニュース』を『みんなのニュース』に変えました。同時に、夜を『ニュースJAPAN』から『あしたのニュース』に変更して、スポーツニュースの『すぽると!』も終了しました」

 新たなフジテレビを生み出すべく、次々と新番組を立ち上げていったものの、『バイキング』が今春まで続いた長寿番組になっただけで、他の番組は既にない。

「長寿番組や帯番組を変えるのは勇気がいることなんですよ。名前の浸透度は計り知れないし、視聴者は見慣れているので安心感がある。それを終わらせた度胸はすごいですが、成功したとは言い難い。亀山氏が4年で退いたのは、結果を見れば当然だったのかもしれません。その後、宮内正喜氏、遠藤龍之介氏がそれぞれ2年務め、昨年就任した金光修氏はわずか1年で他のポジションに移ります。かつての社長と違い、就任期間が大幅に短縮されています」

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