前田公輝は「AKR四十七」の一員だった。歴史好きならば、AKRが「赤穂浪士」の略だとピンと来るはず。有名な「忠臣蔵」の物語で、殿様の仇討ちを果たした四十七士が、なぜかキラキラ高校生制服のような衣装を着た「超大型アイドルユニット」として登場。
司会者に「自己紹介を」と言われると、実在の志士・大高源吾(前田)は、くるくるヘアを揺らしながら、「源吾のゲンは元気のゲン!!源吾のゴは、ごはんのゴ!!」と元気よく発言。その横で「くらら」こと大石内蔵助(村井良大)や「やすす」こと堀部安兵衛(間宮祥太朗)ら仲間がにこにこしている。もちろん、持ち歌「討ちたいんだ」もアイドルポーズ&ダンスがたっぷり。前田公輝、ノリがいいのである。
かと思えば、不良高校生たちが壮絶なバトルを繰り広げる『HIGH&LOW』シリーズでは、黒髪に学ラン、白靴下にメガネのインテリ風貌ながら、すさまじいキックで敵を蹴散らす人気キャラ、轟洋介に。このシリーズでは、番長役の山田裕貴とも激突。当然ながら、前田・山田ともに朝ドラに出ている人物と同一とは思えない戦いぶりを見せている。さらに前田は五年前から続く人情ドラマ『赤ひげ』では、小石川養生所のワンマン医長・赤ひげ(船越英一郎)の下で働く若手医師津川に。人を救いたいという気持ちがあるのに素直に出せない、クセのある男だ。
9月には『HIGH&LOW』の新作映画公開、秋には『赤ひげ』新シリーズがスタート。「ちむどん」の結末も含め、今年後半は、いろんな前田公輝を目撃することができるのである。