事件現場(写真/共同通信社)
前を向いて生きて
安倍氏の銃撃事件を受けて、警察庁は「検証・見直しチーム」を発足。現在、奈良県警の鬼塚友章本部長のほか、警護計画の策定に携わった県警幹部や、現場にいた警察官への聞き取りを進めている。
8月中には調査結果を発表する予定だという。
「今回の奈良での街頭演説は前日夜に決まったといいます。すると24時間安倍氏に張りついているSPには、事前に地元の奈良県警と連絡を取り、警護計画を検討するような時間はなかったでしょう。とはいえ、どんな事情があったにせよ、SPは安倍氏を守れなかった責任を問われることになります」(同前)
安倍氏の後方警備を担当した警察官は、山上徹也容疑者の接近・発砲を許した理由について、「前を通り過ぎる自転車に気を取られてしまった」と県警の調査で説明しているという。松丸氏が語る。
「当日の警備計画を承認した奈良県警本部長はもちろん、SPにも何らかの処分はあるでしょう。戦後、首相経験者が殺害される事件は前例がなく、減俸なのか休職なのか、具体的な処分内容は分かりませんが、少なくとも現在の職からは異動になるのではないか。事件の検証が終わった段階で発表があると思います。
もし私がSPと話せるとしても、慰めの言葉はとてもかけられない。『いま果たすべきことは、なぜ起きたかという検証と再発防止に貢献すること』だと。それだけを伝えたいです」
現場でSPが犯人を取り押さえる現場を見ていたある自民党議員の秘書はこう語る。
「私は街宣車から20~30m離れたところにいました。バーンという音が鳴り、煙が大きく上がったのが見え、次の瞬間には犯人が取り押さえられていた。私は警護の専門家ではないので、SPの体制にどんな問題があったのかを申し上げる立場にはありません。ただ、銃を持った犯人に迷わず突進していったあの姿は、文字通り命懸けでした。とても彼らを責める気にはなれません」
そのうえでSPにこうメッセージを送るのだ。
「どうか、SPの人には前を向いて生きてほしい。安倍さんもそれを祈っているはずです」
※週刊ポスト2022年8月5・12日号
家族で集まった際の安倍氏(本人のTwitterより)
かつてピアノを披露した。曲は『花は咲く』だった(安倍氏のYouTubeチャンネルより)
安倍晋三氏と昭恵さんは1987年に結婚(昭恵さんのインスタグラムより)
仲睦まじい夫婦の様子(昭恵さんのインスタグラムより)
最近は工場勤務だった山上容疑者(中学生の頃の容疑者。卒業アルバムより)
多くの人が献花に訪れた
現場には多くの人が集まった
桜を見る会では、著名人らを傍らに配し、笑顔だった安倍氏(2018年)
内閣改造の際。雛壇を下る安倍氏ら
さまざまな大物政治家らともともに永田町で仕事をした安倍氏(写真は国民祭典での安倍氏)
国民祭典時
改造時、きりっとした顔
かつてはSPを連れて桜を見る会で駆けまわっていたことも













