新型コロナ「感染者数」と「ワクチン接種率」の推移

新型コロナ「感染者数」と「ワクチン接種率」の推移

高齢者の重症化予防には効果あり

 当初「ワクチンには95%の感染予防効果がある」と強調していた政府だが、流行の収束が見えない現在、「重症化予防には意味がある」と目的を切り替え、あくまで追加接種を推進している。ワクチンで重症化はどの程度防ぐことができるのか。

「重症化の予防に関しては、大きな意味がある。そもそも感染予防と重症化予防では体の中で担当する免疫の仕組みが異なります。初期段階でウイルスを増やさないようにして感染を予防するのが『抗体』というたんぱく質で、ガードをかいくぐって侵入したウイルスと闘い、被害を最小限に抑えるのが『細胞性免疫』です。後者の細胞性免疫はウイルスが変異しても効果を発揮できる。この働きは過去のワクチンでも証明されています」(久住さん)

 中村さんも重症化予防には肯定的だ。

「現在発表されているデータによれば、重症化予防効果は50%以上あるといえます。実際、現場で重症化する患者のほとんどはワクチン未接種者。3回目までの接種は医師として推奨できます」

 他方で小島さんは、年齢によって異なると指摘する。

「初期のオミクロン株にあたる『BA.1』が流行した際の厚労省のデータによると、70代以上の重症化予防効果は未接種者に比べて4~5倍あり、高齢者には有効といえました。ただしオミクロン株は感染力が強いものの、そもそも重症化率は低い。特に若い人が重症になるのはごくまれであり、若者の重症化を食い止めるためにどれほど効果があるかを判定することは非常に難しい」

 さらに小島さんが懸念するのは追加接種の「罠」だ。

「ファイザーやモデルナが提供する『mRNAワクチン』には、もともと体に備わっている免疫力を低下させる可能性があります。実際に外国の論文では、接種後に時間が経過すると免疫力が下がるとの報告がある。

 特に自己免疫疾患の発生や免疫の低下によって体内で潜伏感染していたウイルスの再活性化がみられることがあります。追加接種を続けることで免疫が下がった結果、今後、がんなどさまざまな病気の発症率が上がることも懸念されています」(小島さん)

 そもそも重症化リスクの低いウイルスに対し、「重症化予防」のためにワクチンを打つメリットがどこまであるのか—ワクチンのリスクも天秤にかけると「未知数」としか言えないだろう。

“オミクロン株対応型” その効果のほどは

《政府は7回目までのワクチンを購入済み》《10月からは“オミクロン株対応型”の接種を開始》—テレビや新聞では連日ワクチン接種の推進に関するニュースが報道されている。

 終わりの見えないコロナ禍で、この先もさらなる追加接種や新しいワクチンの導入が予定されているが、副反応に耐えながら打ってもすぐに感染する状況下において、接種し続ける必要はどれほどあるのか。

「10月から適用が予定されている新しいワクチンは、従来型のコロナウイルスに対する成分と、オミクロン株に対する成分を半分ずつ組み合わせた『2価ワクチン』と呼ばれるもの。たしかにこれまでのワクチンを打つよりもオミクロン株に対して2倍の抗体値を得られます。しかし、少数の例をもとにしたデータであるもののモデルナ社からの発表では感染や発症予防効果はこれまでのワクチンよりかえって劣っていました」(小島さん)

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