しかし2016年6月、夫人の存在がクローズアップされる出来事が起きる。円楽さんが20才年下の女性との不倫をすっぱ抜かれてしまったのだ。すぐに会見を開いた円楽さんは、不倫を全面的に認め、夫人に謝罪したことを明かした。
「奥さんに『身から出たサビだな』と謝ったら『サビも味になるわよ』と返された話や、会見用のスーツの下にこっそりと奥さんが『頑張って』というメッセージを忍ばせていたことなどを話し、取材陣の爆笑をさらいました。
奥さんはもともと落語業界にかかわっていた人のようですが、ここまでユーモラスで度量が大きいとは思いませんでした。この会見で円楽さんのスキャンダルは笑いに変わった。明らかに奥さんのおかげです。あれ以来、円楽さんの“遊び”は少しおとなしくなりました」(前出・演芸ライター)
「妻と一緒の墓に」
夫人の人柄について、近隣住民はこう語る。
「奥さんは20年近く前に日本語教師の資格を取って、近所の外国人のかたがたに日本語を教えるボランティアをしていました。アクティブで、お世話をするのが好きなかたという印象です」
夫婦の共通の趣味は「プロレス」だった。円楽さんはメキシコの日本人レスラー養成学校で理事長を務めていた。群馬県内でステーキ店を営む現役レスラーのMAZADAさん(47才)も、メキシコで円楽さん夫婦にお世話になったひとりだ。
「メキシコの学校には日本人レスラーが50人ほどいたのですが、みんな円楽師匠と奥さんにお世話になりました。師匠が仕事で忙しいときに、奥さんがひとりでメキシコに来てくれたことも。貧乏な若いレスラーを20人くらい現地の飲食店に連れていってくれて、『どんどん食べなさい!』とメニューの端から端まで注文するくらい、豪快な人です(笑い)。ご夫婦はまるで友達同士のように仲がよかった。ぼくらからしたら“理想の夫婦”でしたね」(MAZADAさん)
円楽さんに病魔が襲いかかると、夫人は介護に追われる日々を送ることとなった。2018年9月、円楽さんは肺がんを公表し、肺の5分の1を切除した。翌年7月には脳腫瘍が見つかり、さらにこの年、肺がんも再発してしまった。
病と闘いながら高座に上がり続けた円楽さんだが、今年1月には脳梗塞を発症して再び入院。後遺症で歩行が困難になり、車いすを使うようになった。5月に退院してからは、懸命にリハビリに励んできた。