〈よく頑張ったね。ゆっくり休んで、そしてそれから、何があったのか教えてください。〇〇と〇〇(ミャンマーに関係する共通の知人)には、早めに連絡してあげてください。みんな、頑張ったよ、頑張ってるよ。北角〉
初めて会った時の一度だけの会話で、久保田くんのドキュメンタリー制作にかける熱が伝わったという大学生もいる。
〈トオル君が拘束されたとき、これまでにないくらいの衝撃を受けました。まさか、まさか会ったことある人が、という言葉が反芻すると同時に、リアルをキャプチャーしている人なら誰しもが捕らえられてしまうという可能性を(悲しくも)持っているという現実を叩きつけられました。わたしの友人らや家族はみんな、勇敢な人だ、助かって欲しいと言っていました。きっとそう感じている人が大多数なはず。そしてミャンマーの状況を理解している人は、困難な状況下を映像に収めるために渡航したことを讃えていると思います。誰もができることでは決してないので。
でも、もしかしたら、もしかすると心ない言葉を聞いたり読んだりすることも出てきてしまうのかもしれません。そんなネガティブな言葉を発する人は、「誰が何をしてもただ文句を言いたいだけ」であってトオル君のように行動などできないのです〉
帰国後、久保田くんはこうしたメッセージを読んで「感謝しかない」と語った。彼の行動自体、日本の多くの人々へのメッセージとなって届いたことは間違いない。さらに多くのメッセージを届けるため、帰国当日の夜、TBSの『NEWS23』に生出演した。久保田くんは早くも始動している。今後も積極的にこの経験を発信していくだろう。
■取材・文/相澤冬樹(ジャーナリスト)