国内

オバ記者が明かす国会裏話 失業中に貼り紙を見て政界に飛び込んだ私設秘書

維新からの参院選出馬までには紆余曲折があったという

オバ記者が国会の裏話を明かす

 大臣の辞任が相次いでいる岸田内閣。衆議院議員会館でアルバイトをする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、国会の裏側を綴る。

 * * *
 それにしてもひどいって、岸田内閣のことよ。

 次から次に大臣を更迭して、岸田文雄首相(65才)が「私自身、任命責任を重く受け止めております」とお詫びしたけれど、「重く受け止めた」あと、どうするのよ? 発足当時60%以上あった支持率がいまや30%ちょいまで下がっちゃったじゃないの。

「まあ、政治とはそんなものよ」という声もあるけど、60才を過ぎてから永田町の隅っこに身を置くようになった私が気になるのは、大臣辞任にまつわる雑用なの。

 あれは新大臣が任命された3か月前のこと。

 衆議院議員会館の廊下には、朝から夕方まで宅配便の配達人がものすごい勢いで行き来していたんだわ。聞くところ彼らは、大臣・副大臣・政務官に選ばれた議員たちの事務所にお祝いの胡蝶蘭と祝電をひっきりなしに届けているのよ。

 祝電といっても紙一枚ではなくて、立派な黒塗りの箱に入っていて、それだけでも豪華だけど、問題は胡蝶蘭の方。なんと、子供の背ほどの高さの箱入りだよ。秘書がその箱から鉢を取り出して事務所に並べると、夕方には足の踏み場もないほど。

 その後、支援している団体や支援者がのべつまくなしに祝辞を述べにやってくる。スタッフはその対応に追われ、落ち着くまで優に3か月はかかる。最近ようやく日常の議員活動に戻ったというのに、辞任ということになったら、枯れずに残っている胡蝶蘭はどうするのよ、と下働きの私が気になるのはそっち。まさか、贈り主の名前が入った胡蝶蘭の鉢をそのまま飾っておくわけにはいかないでしょうよ。私のようなアルバイトが結構な重さのある鉢を腰をかがめて、一夜のうちにゴミ置き場に移動させているんだって。

 あれは衆議院議員会館でアルバイトを始めたばかりのときのこと。

 ある会合で横に座った40代のママさん秘書・Mさんが、「国会議員の秘書ほど世間に誤解されている仕事もないと思うわ」って言ったんだよね。

「どういうこと?」と聞くと、「政治家の女性秘書というと世間のイメージは“ピンヒール”じゃない? “スーツを着こなした、できる女”って感じで。もちろんそんな人もいるけど、それは公設秘書といって、衆議院や参議院に公務員として雇われている人たち。私みたいに議員から直接雇われている私設秘書は、ピンヒールというよりゴミ袋のイメージよね。会議の後片付けにゴミ袋を持ち歩いていることが多いもの」と言うの。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト