BAADが結成された1992年。山田恭二は初代ボーカル、そして作詞を担当

BAADが結成されたのは1992年のこと。バンド活動をしていた山田さんはスカウトされて初代ボーカルに

 詞はいつも作るうえで、直接的な言葉で説明せず、映像で表現して伝えようと心がけていました。『SLAM DUNK』の場合は、主人公・桜木花道は明朗活発な性格のヒロイン・晴子に片思いしていたので、「明朗活発な」の言葉の代わりに「肩をいつものようにたたく」、「片思い」の代わりに「からむことのない腕」といったような表現にしました。

 でも、いつも絞り出すようにして書いていました。サラッと書ける人もいるようですが、僕は得意ではなかったです。

アニメのOP映像はどのように決まったか

 歌ができあがってアニメが放送開始になったときは、歌の世界とアニメーションがピッタリ合っていることに、「おお~!」と興奮しました。たぶん、井上先生が歌詞に合わせて、オープニングの絵コンテを描いたんじゃないかと思います。先生のこだわりがあのオープニングの高い完成度に繋がり、そのおかげで、歌も長く愛されることになったのではないかな。先生にはとても感謝しています。

 自分の歌が毎回流れるのが照れくさくて、テレビアニメを毎週は見ていませんでした。『君が好きだと叫びたい』は、今もバスケがテレビやラジオで取り上げられるたびに、よくバックで流していただいているので、それを聞くのも照れくさいんです(笑)。

 当時は歌がヒットしたおかげで、ファンレターをたくさんもらいましたね。「応援してます」と書かれた手紙がほとんどですが、「キツイこと書いてくるなぁ」と感じる内容のものもありました。でも、全部大切にとってあります。段ボールにまとめて入れてしまってあります。

 人気音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)などで歌わせていただいたことも思い出です。収録前、司会のタモリさんの楽屋に挨拶に行ったのを覚えています。タモリさんからは「がんばってね」という言葉をいただいたぐらいで、特別な会話を交わしたわけではありませんが、タモリさんって小柄な方かなと思っていたのに大きく見えて(実際は161センチ)。オーラなんですかね。

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