ところが、ここから下降線をたどる。2013、2017年のWBCで2大会連続1次リーグ敗退。2021年東京五輪でも準決勝で日本に2―5で敗れると、3位決定戦もドミニカ共和国に屈してメダル獲得ならず。個々の選手の能力が決して低いわけではないが、野球人口の減少も影響して韓国国内リーグのレベルの低下が指摘されている。
「絶対に負けられない」と闘志をむき出しに戦っていた日本戦でも変化が。3月10日の日本戦では大量失点で敗色濃厚となったベンチで、白い歯を見せる選手の姿が。かつて、国際試合で韓国と対戦したプロ野球OBは、「信じられない光景でした」と驚きを口にする。
「昔の日韓戦だったら、負けている展開で笑顔を浮かべるなんて考えられなかった。韓国ベンチがテレビで映っていましたが、談笑する選手の姿が見られて緊張感が感じられない。時代が流れ、若い世代は日本に対する特別な意識がなくなっているのかもしれませんね。強い韓国と対戦している人間とすれば寂しさを感じます」
韓国球界では今回のWBCで強さを見せ、「野球人気の復興」を期待する声が高まっていたが、豪州、日本に連敗し、3大会連続で1次ラウンド敗退になったことで世論では落胆の声が多い。かつての「日本のライバル」は再び、はい上がれるか。