芸能

日テレ新生『ZIP!』が直面する“8時またぎ”問題 「大谷シフト」が顕著に

女性アナ「朝の顔」アンケート1位は水卜麻美アナ

『ZIP!』の司会は水卜麻美アナ

 この春、日本テレビが行った朝の情報番組の編成が注目を集めている。それは「『ZIP!』を1時間延長し、『DayDay.』を朝9時スタートさせる」というもの。それにより、他局の情報番組がスタートし、視聴者のチャンネルが変わるタイミングである朝8時に日テレは『ZIP!』の放送を続けている。この“8時またぎ”問題を『ZIP!』はどんな企画で対抗しているのか。テレビ解説者でコラムニストの木村隆志さんが解説する。

 * * *
 今春に行われた各局の番組改編で、業界内を最もザワつかせたのは日本テレビの朝番組でした。『スッキリ』の終了は以前から噂話があり、他局でも考えられるものでしたが、「『ZIP!』を1時間延長し、新番組の『DayDay.』を9時スタートさせる」という編成に驚かされたのです。

 これまでNHKを含む主要局は、「8時までに番組を終え、次の番組を放送する」という形で一致していただけに、まさに異例の編成。私自身、実際に各局のテレビマンから「8時で番組が変わるという視聴習慣が定着している中、日テレは大丈夫なのか?」「『ZIP!』は延長した1時間で何をやるのか?」「『思い切ったな』と思うし、『抜けがけみたいでずるいかな』とも思う」などの声を聞きました。

『ZIP!』が1時間延長されたことによって新たに発生するのが、「8時またぎ問題」。他局が次の番組に移る中、『ZIP!』だけは続行するだけに、「チャンネルを変えられないように何を放送して視聴者を引きつけるか」が重要になります。

 ただでさえ8時は高視聴率を獲得し続けるNHKの朝ドラがあるため民放各局の情報番組は、「ニュースをランキング形式で紹介」「独自のスクープネタ」「MCのオープニングトーク」「動物の癒し映像」など、さまざまな工夫を凝らしてきました。

『ZIP!』は、そんな激戦の8時またぎにどんなものを選んでいるのでしょうか。

大谷翔平+WBCメンバーで勝負

 ここまで『ZIP!』の8時またぎに採用されているのは、さまざまなニュースを紹介する「ALL TOPICS」というコーナー。つまり、「そのとき最も視聴者を引きつけられそう(チャンネルを変えられなさそう)なニュースを日替わりで選べる」という制作サイドにとって王道かつ便利な構成です。

 では、具体的に8時またぎの瞬間は、どんなニュースを選んでいたのでしょうか。

3日(月)―大谷翔平選手 4日(火)―歌舞伎町コンセプトカフェ摘発 5日(水)―大谷選手 6日(木)―大谷選手 7日(金)―大谷選手 10日(月)―大谷選手 11日(火)―駅待合室殺人。直前に通報か 12日(水)―大谷選手 13日(木)―Jアラート国民保護に関する情報 14日(金)―大谷選手 17日(月)―大谷選手 18日(火)―大谷選手 19日(水)―大谷選手 20日(木)―大谷選手 21日(金)―大谷選手

 ここまで放送された15日中12日が大谷選手のニュースであり、しかもたっぷり時間を取って放送していました。さらに大谷選手のニュースで8時またぎをしたあとも、メジャーリーガーのダルビッシュ有選手、吉田正尚選手、ヌートバー選手や、NPBでも村上宗隆選手らWBC優勝メンバーを中心にピックアップしている様子がうかがえます。

 日本テレビは8・9月に「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」「ラグビーワールドカップ2023」の放送をすることから、今後も大谷選手の活躍を中心にしつつ、両競技を含めたスポーツ中心の構成になっていくのではないでしょうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン