ライフ

MEGA地震予測が中国人研究者に「世代交代」 北海道・東北での大地震を警戒

「MEGA地震予測」の郭広猛博士

「MEGA地震予測」の郭広猛博士

 測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授が主宰する「MEGA地震予測」。本誌『週刊ポスト』2023年3月24日号では、「同31日までに北海道~関東でM6.5クラスの地震が起きる」と予測していたが、同28日に青森県東方沖地震(M6.1)が発生した。そんな数々の地震発生を予測してきたMEGA地震予測も「世代交代」。村井氏の後継者となった天才中国人研究者が今、新たな地震発生への警戒を呼びかけている。

「MEGA地震予測」を配信する地震科学探査機構(JESEA)の橘田寿宏社長が語る。

「村井先生は今後も地震予測の研究は続けるものの、1月末に高齢を理由に一線を退きました。現在は、4月から当社CTO(最高技術責任者)に就任した郭広猛博士が後継者としてすべての地震予測を行なっています」

 郭博士は、米ハーバード大学などと並ぶ世界最高峰の学術機関の一つである「中国科学院」で博士号を取得し、その後、2020年11月からはJESEA主席研究員として村井氏と二人三脚で予測の精度向上に努めてきた。

 MEGA地震予測は、全国の電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉えることで、地震が起きる可能性が高い地域を総合的に分析しているが、2021年には地震の発生時期や規模をより細かく明示する「ピンポイント予測」を実用化した。

 この予測法は、郭博士の研究が元になって生まれたものだった。郭博士が説明する。

「私は中国で研究していた頃から長年、測量学の技術の一つであるリモートセンシング(遠隔探査)を専門にしてきましたが、なかでも地震の発生前に震源付近から噴出されるガスを衛星画像データで解析する研究に励んできました。

 ピンポイント予測は、この衛星画像データの解析をはじめ、GPSのデータを用いて地表の動きを捉えるなど、計10種類の科学的観測データの分析を組み合わせた予測法です。どんなガスなのか、使用している観測データなど詳細は組織としての機密情報にあたるため明かせませんが、それらを分析することによって予測的中率は7割以上にのぼっています」

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン