荒天による1日順延を経て、5月16日に開催された京都三大祭の1つ「葵祭」は、行列が京都御所を出発地とするなど、皇室とのゆかりが深い。強い日差しが降り注ぎ真夏日だったその日、4年ぶりの私的ご旅行中の上皇ご夫妻は、平安時代の装束を身につけた行列が練り歩く「路頭の儀」を存分に楽しまれた。
「行列は一定人数ずつのグループで進んでいくのですが、上皇ご夫妻は集団が近づくたび、立ち上がってお辞儀をされていました。立ったり座ったりを繰り返され、一般客からは“暑い中、大変や”と心配の声が聞こえました」(皇室関係者)
5月14?18日の4泊5日で、京都や奈良を巡る今回のご旅行。ご夫妻には各地から訪問を願う声が寄せられていた中で、退位後初めてのご旅行に選ばれたのが彼の地だった。14日、上皇ご夫妻が京都駅に降り立たれると、700人以上が、事前に配布された日の丸の小旗を振りながら、歓声を上げて出迎えた。「美智子さま?」と手を振る人など、駅構内も屋外も興奮状態の人々でごった返した。
「ノーマスク姿の上皇ご夫妻は表情も晴れやかで、相変わらず存在感がありました。手をギュッと強く握り合われ、お互いを支え合いながらゆっくりと歩まれるお姿に、皇太子ご夫妻時代、天皇皇后両陛下時代と変わらぬ愛情を感じ、胸がいっぱいになりました」(居合わせた人)
熱狂は出向かれた先々で続いた。地元の人々の反応は美智子さまにとって、うれしい驚きであったに違いない。
「上皇さまはすでに退位された身であり、美智子さまも上皇后となられて久しい。また、コロナ禍によってお出ましにもブランクがあっただけに、どれくらいの人が集まるか当日まで予想できずにいました。しかし、蓋を開けてみれば、現役時代と変わらぬほどの大人気ぶり。猛暑の中、上皇ご夫妻を一目見ようと日傘片手に駆けつけた高齢者もいました。温かな歓迎を受け、美智子さまも使命感に気持ちが引き締まる思いをされたことでしょう」(皇室記者)
翌15日は、明治天皇の后・昭憲皇太后の大礼服が保管された大聖寺(京都市上京区)を訪問された。
「皇族や公家の女性が出家して住職を務めた『尼門跡寺院』で、美智子さまはそうした寺院にある文化財の保存や修復に、以前より関心を寄せられてきました。それにとどまらず、美智子さまは、ご自身の著書の印税収入を修復のために寄贈されたこともあったといいます」(前出・皇室記者)
訪問時、美智子さまをハプニングが見舞った。
「階段を上られる際、美智子さまが体勢を崩されてよろめかれました。そのとき、お隣にいた上皇さまがすぐに気づかれ、ギュッと美智子さまを抱き寄せるように手を差し伸べ、体を支えられました 。上皇さまのとっさのご判断により大事には至りませんでしたが、ご高齢であることを考えると今後もこうした健康面でのご不安はつきまとうでしょう」(前出・皇室記者)