ライフ

オバ記者、故郷・茨城県桜川市で講演会を開く そのとき初めて知ったギクシャクしていた亡き義父の愛

オバ記者

故郷で講演会を行ったオバ記者は義父に関する驚きの秘話を聞く

 故郷、茨城県桜川市・真壁町で講演会を開いた『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、当日の様子を振り返る。

 * * *
 長く生きていると、予想もつかないことがあるんだね。てか、先日起きたことは、わが66年の人生で3本の指に入る慶事かも。いや、「これと並ぶことがあるなら言ってみろ」と言われても思い浮かばない。そのくらいすごいことだったんだわ。

「茨城県桜川市で講演をしませんか?」と私の元にメールが来たのは今春のこと。桜川市健康推進課の課長Sさんからのご依頼だ。わが地元・真壁町の「真壁伝承館 まかべホール」で、2時間近くの講演を打診された。

 なにせ、18才で上京してからずっと、盆暮れ正月、法事にお彼岸のたびに、私は帰郷していた。また、毎年2月には恒例行事「真壁のひなまつり」があって、老いた両親が揃って寒空の中、手作りのあれこれを出品していたから、気になって足を運んだ。

 真壁には古きよき町並みがいまなお残っていて、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。講演場所として指定された「真壁伝承館 まかべホール」はその町並みと調和した建造物で、観覧席数300、音響環境に秀でた一流のホールだ。

 講演の依頼にはもちろん二つ返事よ。コロナ禍で開催を見合わせていた『きらきら健康講座』の講師に私を選んでくれたと聞いて、飛び上がるほどうれしい。でもいまひとつ実感が湧かない。なのに、絶対に引き受けたい。

 この感覚、どこかで経験してないか?と胸に手を当てて思い出したのが、ちょうど1年前のいま頃、NHKから受けた『あさイチ』の出演依頼よ。あのときは、その1か月前に受けた健康診断で「卵巣がんの疑い」と言われて手術することが決まっていて、「手術前に卵巣が破裂したら緊急入院の可能性もあります」と言われていたの。

 緊急入院したらNHKに迷惑をかける。どうしよう!?と一瞬迷ったが、医師の言う「緊急入院の可能性」を私は無視することにした。そんなことは起きっこない。それより、「出たい!」という自分の気持ちに懸けたかったのよ。

 今回の講演会もそう。人前で2時間も話したことはないから、故郷の人の前で大恥をかくかも。けど、やりたい! テーマが「女性と健康」と聞いたら、ますますやりたい!! 昨年の私の卵巣・子宮全摘の体験が全部生かせるではないの。相次いで胃がんで亡くなった、医者嫌いの年子の弟と義父の話も誰かの役に立つかもしれない。

 でもその前に、私が東京でどんなことをしてきたかをありのままに話さないとなぁ。でなきゃ、子供の頃の鼻たれの私を知っている同級生は納得しないに違いないもの……などと、何をしていても講演会のことが頭から離れない春と夏が過ぎ、いよいよ当日を迎えた。

 10月18日、ホールの入り口に、講演テーマ「自身と家族のがんからオバ記者が見たこと、感じたこと」が掲げられたスタンドが据えられていて、いよいよ気が引き締まった。そして、ほぼ満席の伝承館のステージに立った私──。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン