「この資料は当時、地方局に配属された若手アナらを中心に専門家や行政機関らと地元の方々にヒアリングするなかで作られたものです。NHKの場合、アナウンサーとして入局すると若手のうちに地方局をいくつか周ります。
今回、話題になっている山内アナは現在、東京アナウンス室に所属していますが、彼女は2017年に入局し、金沢放送局で2021年3月まで働いています。ですので、まさにこのプロジェクトに参加していた若手アナのひとりでしょう。金沢の方々に、今は東京で活躍する山内アナの言葉が少しでも響いたことを期待したいです」(前出・NHK関係者)
NHKアナウンス室が災害報道にかける情熱の発端は「東日本大震災」。先輩アナらの“思い”を受け継いでいる。
「これらのプロジェクトは、数多くの災害報道を担当してきた横尾泰輔アナ(48)や井上二郎アナ(49)がとりまとめました。このほか、2023年末のNHK紅白歌合戦で司会を担当した高瀬耕造アナ(48)など、現在のチーフアナらを中心にNHK内での周知含めて推進してきました。
彼らが中堅アナだった頃、東日本大震災の際に経験した“無力感”などをきっかけに、それまでのマニュアルを見直し、『ことばで命を守る』という文化を後輩らに育んだ結果が、今回の『呼びかけ』につながったのでしょう」(前出・NHK関係者)
「叫びすぎ」との声もあがった呼びかけの背景に、NHKアナウンス室が世代を超えてつないできた災害報道への強い思いがあった。