衆院政治倫理審査会で弁明のため、挙手する岸田文雄首相。2月29日(時事通信フォト)

衆院政治倫理審査会で弁明のため、挙手する岸田文雄首相。2月29日(時事通信フォト)

 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑を受けて開かれた政治倫理審査会。4人衆はいずれも国民に政治不信を招いたと陳謝したが、「承知していなかった」「一切関与していなかった」「全く認識がなかった」と釈明。グレーではなく紺系の服装で出席したのも頷ける。青には冷たさなどのほかに冷静や信頼や誠実、真面目などのイメージがあり、見る人の気持ちを落ち着かせ、攻撃性を弱める効果がある。青で野党の追及と国民の厳しい視線をかわしたいと思ったのか。それとも非公開のはずが、首相の一言で公開となった場で釈明しなければならなくなったことへの不平不満を、無意識のうちに抑えようとしたのだろうか。

 ところが追及する側の野党も、これまた積極性や攻撃性に欠ける色ばかり。立憲民主党の枝野幸男衆院議員は黒系のスーツに紺から青、水色の斜めストライプのレジメンタルタイ。立憲民主党の寺田学議員はグレーのスーツに濃いグレーのネクタイだし、日本維新の会の岩谷良平議員は黒系のスーツに黄緑のネクタイ。日本共産党の塩川鉄也議員も紺のスーツ、ネクタイは柔らかい黄色に白と紺の細い斜めストライプだ。質問に立った他の議員も紺系のスーツに青系のネクタイだ。

 グレーは人を刺激しない中間色で、緑は安らぎや安全、平和というイメージが強く、黄色は明るさや希望を感じさせる色。誰の服装を見ても、疑惑の解明に対する意気込みは感じられない。その中で少しだけ違う印象だったのが公明党の中川康洋議員。紺色のスーツに締めていたのは暗いえんじ色にピンク系の水玉のネクタイ。ただこのえんじ色、大胆なイメージはあるものの堅実で落ち着いた印象を与えるといわれる。同じ赤でも、ガンガン追求していくというイメージからは遠かった。

 せっかく公開された政倫審で質問に立ったというのに、寒色系ばかりの野党議員らは印象が薄く、意気込みもアピール力も感じられない。見た目からして追求する側には覇気がなく、される側は冷静沈着。茶番だというコメントがネットに溢れるのも仕方ない。

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