国内

《公明党の政治とカネ》3.3億円を受注する印刷会社社長が語る取引の実態 「選挙がなければ仕事がない。季節労働者みたいなもの」

公明党の政治資金も検証されるべき(創価学会。写真/共同通信社)

公明党の政治資金も検証されるべき(創価学会。写真/共同通信社)

 毎日のように国会で答弁が行われる自民党の裏金問題。「政治とカネ」に厳しい目が向けられるなか、自民党と連立を組む公明党の政治資金も検証されるべきだろう。ノンフィクション作家・広野真嗣氏と『週刊ポスト』取材班は、党本部、東京都本部、37支部、政党支部の政治資金収支報告書を徹底調査。そこから見えてきた公明党「ファミリー企業」の実態とは──。【前後編の後編。前編を読む

〈独立国を作ろう〉

 公明党の政治資金の支出先として頻出する7社に対する発注額を足し上げると、実に年間9.4億円から11.5億円に上った。これは党本部の支出のうち、各県本部への「寄付・交付金」や国会議員への「支払交付金」、「翌年への繰越額」を除いた経常的な支出の8~10%を占める規模だ。他の県本部の支出でも7社の存在は大きく、調査の対象を広げればシェアは増える可能性がある。

 ちなみにNTy(日本図書輸送株式会社)の創業は1961年、東西哲学書院は1964年、日光警備保障は1970年と一時期に次々と設立された。これに聖教新聞社と東弘を加えた5社は「外郭企業」と関係者が呼ぶ群に属している。

〈広布の闘いで、政党、学校、文化、民音(民主音楽協会)も出来た。最後に残ったのは経済だ。これから、この社長会を中心に経済革命をする〉(『社長会全記録』1983年刊)

 池田大作氏が高らかにそう唱えたのは1967年、NTyや博文堂(当時)の社長ら9人を集めた「社長会」の場だった。

 会長就任の1960年、130万世帯だった学会員は1970年に750万世帯にまで急増するが、会合はその途上の時期である。

 追い風は金にも票にも化けた。1964年に結党したばかりの公明党が翌1965年の参院選で11議席を獲得。この年、日蓮正宗の本山である大石寺に建立予定だった正本堂のための献金を募ると、わずか4日間で355億円を集めた。

 さらに池田氏は〈独立国を作ろう。創価王国、創価共和国だな〉(前掲書)とも語り、その国の“閣僚”として外郭企業の社長らの名を挙げたと記録にある。経済力が組織としての強さの基盤になるとの考えは、党からの出金を見るにつけ、現在にも浸透している。

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン