芸能

【『ブギウギ』愛しきスズ子へ】初恋の人・松永役の新納慎也が振り返る「2人で自画自賛した“グッドラック”のお別れシーン」

スズ子の初恋の相手・松永を演じた新納慎也(写真/NHK提供)

スズ子の初恋の相手・松永を演じた新納慎也(写真/NHK提供)

 2023年10月の放送スタートから本誌『週刊ポスト』は『ブギウギ』と主人公・スズ子(趣里)を応援し続けてきた。彼女を支えてきた俳優たちの想いは格別だろう。最終回を目前に控え、スズ子の初恋の相手・松永を演じた新納慎也がスズ子に愛の言葉を贈る。

 * * *
 スズ子が初めてステージで『ラッパと娘』を披露するのを、演出家の松永と辛島部長(安井順平)が客席で見ている──。その撮影時はまだ『ブギウギ』の放送が始まっていませんでしたが、ステージを見ながら安井さんと「こんな明るく元気になれる朝ドラは良いよね」という会話をしたのをよく覚えています。

 視聴者の皆さんはもう松永のことを忘れているかもしれませんが、スズ子と作曲家の羽鳥善一(草なぎ剛)を最初に引き合わせたのは、やり手の演出家である僕(松永)です(笑)。スズ子は松永に恋心を抱いたけど、彼はアメリカに恋人がいた。他方、松永はスズ子と一緒に日宝に移籍したかったけど、彼女は最終的に羽鳥と音楽を作り続けることを選びました。

 袂を分かつシーンで2人は「グッドラック」と言い合いますが、実はこの台詞は台本にはなかったんです。僕が「最後はお互いの健闘を祈ってグッドラックと言ってお別れしたほうがいいんじゃないかな」と相談すると、「絶対それがいい」と賛成してくれて、2人で監督に提案して実現しました。

 どちらが先に口にするかを迷って実際に2パターンやってみましたが、趣里ちゃんが「やっぱり私から言ったほうがいいんじゃないかな。スズ子が前に向かって行く感じがする」と。僕もそう思ったので、スズ子が先に「グッドラック」を言いました。リハーサルで映像を確認しながら「めっちゃ良いシーンだね」と2人で自画自賛しましたね(笑)。

 松永がスズ子に“あ~ん”させてチョコレートをあげるシーンでは、趣里ちゃんが口を大きく開けて、なかなかすごい顔をしていたんですよ(笑)。そこで僕が「その顔で映っても大丈夫?」と尋ねると、「私、顔とかどうでもいいんですよ(笑)」という感じに返してくる。屈託がなくオープンマインドなところもスズ子っぽくて、愛くるしかった。

【プロフィール】
新納慎也(にいろ・しんや)/1975年生まれ、神戸市出身。ドラマ『unknown』『CODE-願いの代償-』、NHK大河『真田丸』『青天を衝け』『鎌倉殿の13人』、映画『禁じられた遊び』『神回』などに出演するほか舞台に多数出演。

※週刊ポスト2024年4月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン