国内

「生きとったんか!」山一抗争で山口組組長を射殺したヒットマン部隊直属の指示役が逮捕されヤクザ界騒然 指名手配され約40年行方不明だった男の“数奇な運命”

事件に使用された銃(時事通信フォト)

事件に使用された銃(時事通信フォト)

 今から40年前に勃発し、29人の死者を出した「山一抗争」。暴力団史上最悪とされる抗争に、まさかの続編があった。フリーライターの鈴木智彦氏がリポートする。

 * * *
 9月2日、長崎県諫早市で、75歳の無職男性が逮捕された。同県松浦市で、市議会議員を務める知人男性の中傷ビラを撒き、虚偽の事実を広めた名誉毀損の容疑である。

 報道によると「連日連夜騒いでいる」「わいせつ罪を犯している」などと誹謗された市会議員は、今年2月29日、松浦市の川沿いで自殺したという。当事者はすでに亡くなっているが、遺族が被害届を出していた。

 事件はこれだけでは終わらなかった。

 捕まった宮本榮治容疑者にはとんでもない過去があった。昭和60年(1985年)1月26日、大阪府吹田市にあるマンションの1階エレベーターホールで、山口組四代目竹中正久組長、中山勝正若頭、南力若中の3人が暗殺された。宮本容疑者はヒットマン部隊直属の指示役だったのだ。

 暴力団としての渡世名は「後藤栄治」(以下、渡世名)という。当時、夕刊紙や週刊誌では、連日、彼の動向が報道された。四代目人事を巡って紛糾し、山口組を離脱した組長たちは、一和会という新組織を旗揚げした。トップに就任したのが山本広会長で、二代目山広組の若頭となった後藤容疑者は、いってみれば竹中組長らを襲った一和会の主流派ど真ん中の前線司令官に当たる。

 実話系週刊誌の元記者はこう説明する。

「後藤容疑者は事件後、たった一人行方が分からなかった関係者です。『神戸の三宮で見かけた』とか、『東北で刺青の彫師になっている』などと、定期的に目撃情報が寄せられ話題になるのですが、殺され埋められているという死亡説も根強かった」

 暗殺事件から40年を迎えようとする夏の終わりに蘇った山一抗争の亡霊に、暴力団社会も奇妙な興奮に包まれた。

「生きとったんか! 正直、ここまで見つからないのは、殺されたか、のたれ死にしたかと思ってた。逃亡したヒットマンの末路は悲惨。組織が面倒を見る約束だったとしても当てにならん。盛者必衰の世の中でも、ヤクザは格別に浮き沈みが激しい。組織が消滅することなんてざらや」(在阪の山口組系組長)

関連記事

トピックス

シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン