ライフ

ヤクザを描いた映画やドラマを本物のヤクザはどう観ているのか 暴力団幹部「あんなにバンバン撃たないよな」「日本より韓国ドラマの方がリアル」

1985年2月、暴力団山口組の竹中正久組長射殺事件に使用された拳銃と実弾。当時の山口組と一和会の抗争は多くの映画やドラマなどの題材になった(時事通信フォト)

1985年2月、暴力団山口組の竹中正久組長射殺事件に使用された拳銃と実弾。当時の山口組と一和会の抗争は多くの映画やドラマなどの題材になった(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザから見てリアルなヤクザを描いた映画やドラマについて。

 * * *
 ヤクザには映画やドラマを観るのが好きな者が多いと聞く。特に実際に起きた事件に絡んで作られたような映画は現実と比較しながら観るらしい。9月2日、1985年に指定暴力団山口組四代目組長だった竹中正久ら3人を射殺した疑いで指名手配されていた男(75才)が、長崎県松浦市の市議に対する名誉棄損容疑で逮捕されるという事件があった。ヤクザ業界では死んでいたと思っていたヤツが、生きていたとは!と驚く声が上がったという。

 話題の映画やドラマは必ず観るという暴力団幹部S氏にこの話を聞くと、「山一抗争の時の話だよな。一和会のヒットマンの話なら三浦友和が主演だった『悲しきヒットマン』(1989年、東映)。山口組四代目組長が殺されて五代目になるまでの話なら『激動の1750日』(1990年、東映)で、確かヒットマンは陣内孝則があてはまるんじゃないか」と、映画の話で盛り上がった。

 今は自宅のテレビで昔のヤクザ映画を観ることもあるといい、「いろんな動画配信サービスがあるが、何でも見られる。」と笑う。以前は偽造カードがあったというが、セキュリティが厳しくなってきたので今はプリペイドカードを購入するようだ。考えてみれば、ヤクザは銀行口座が持てないから、引き落としができなければクレジットカードも作れない。家族や彼女と住んでいれば別だが、一人暮らしのヤクザは現金で買えるプリペイドカードしかない。また、友人知人のIDを借りて利用するという方法もあると彼らは言う。1つの契約につき複数のデバイスで再生できるサービスが多いので、その1つを借りるということらしい。もっとも、多くの配信サービスは家族以外とのID共有を規約で禁じているので、露見すると契約者のIDが失われるだけでなく賠償責任が問われる可能性もある。

かつてはシノギだったテレカの偽造

 プリペイドカードといえば、その走りはテレホンカードだろうか。今は探そうにもなかなか見つけることができない公衆電話だが、昭和から平成にかけての頃は、誰もが1枚は財布や定期入れの中にテレホンカードを入れていた時代だ。いかにも偽造できそうなカードにヤクザが目をつけないわけがなく、テレホンカードの偽造をシノギとしてやっていた者もいるという。その頃、テレホンカードの売買は盛んに行われており、「日本に来た中国人やバングラデシュ人らは正規のテレホンカードを大手通信会社などから定価の10分の1程度で買い、それを出稼ぎに来ていたフィリピン人らに安く販売、大儲けした者もいる。だが中には偽造カードを安く仕入れて、販売していたヤツらもいた」とS氏は語る。

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン