中居のトラブルで、対照的に評価が高まる木村拓哉(2023年9月)

中居のトラブルで、対照的に評価が高まる木村拓哉(2023年9月)

「おれは雲の上の存在だから」

「中居さんは当時、木村さんが5人で独立する計画に同意しなかったことにブチ切れていて、A氏に『あいつ、マジうぜえ』、『許せない』と吐き捨てるように言っていたそうです。木村さんとも仕事をしていたA氏は困惑しつつも、『まあまあ』となだめるしかなかったのだとか」(フジテレビ関係者)

 A氏が危惧していたのは、2016年末のSMAP解散後、中居が旧ジャニーズ事務所から独立することだった。

「彼がよく言っていたのは、もしあのとき、中居さんが旧ジャニーズ事務所を辞めていたら“局としては大手を振って仕事を振れなくなる”ということ。逆に言えば、香取(慎吾)さんや草なぎ(剛)さん、稲垣(吾郎)さんが一時期、フジテレビの番組に出られなかったのはテレビ局側の“忖度”だったということでしょう。中居さんが『新しい地図』に合流しなかったのも、テレビ局側の意向をA氏から聞かされていたからなのかもしれません」(別のフジテレビ関係者)

 仕事の枠を超えた中居とA氏の歪な友情はその後も続き、2人で話し合って新番組を立ち上げるなど公私にわたって協力関係を築いた。その過程で起きたのが、中居による“木村拓哉排除”事件である。

 2023年4月にスタートした『まつもtoなかい』(フジテレビ系)は、A氏が中居と一緒に立ち上げた企画で、特番時代から協力体制を取っていた。

「第1回のゲストに招かれたのが香取さんで、中居さんとの約6年ぶりの共演に往年のSMAPファンが歓喜しました。ところが、収録現場では香取さんが木村さんのことにも言及したのにオンエアではその部分がまるまるカットされていた。中居さんの判断だったといいますが、彼が『カットしろよ』と言えば現場は従わざるを得ず、A氏も意見することはなかったといいます」(前出・フジテレビ関係者)

 各局に冠番組を複数抱えていた中居は、テレビ業界では大物司会者として下にも置かない扱いを受けていた。中居の“恐怖支配”は他局でもいかんなく発揮されたという。

「2022年、山下智久さんが地上波復帰を遂げ、ようやくゴールデンの番組に出られるようになった頃のことです。中居さんと笑福亭鶴瓶さんが司会を務める『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)のゲスト候補に山下さんの名前が挙がったのですが、キャスティングの段階で中居さんが“待った”をかけた。別の番組では錦戸亮さんの出演したドラマを不自然な形でスルーしたこともありますが、いずれも当時において旧ジャニーズ事務所を刺激しないための中居さんの独断だったといいます」(芸能関係者)

 自らの保身のために後輩のチャンスを摘み取るようなやり方には、違和感を覚えるスタッフも少なくなかったというが、今回のトラブルで中居はすべてを失った。バラエティー番組で、半ば冗談まじりに「おれは雲の上の存在だから」と語っていた中居。デビューから30年以上をかけて築き上げた砂上の楼閣はもろくも崩れることになった。

(前編から読む)

女性セブン202526日号

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