石川県をご訪問された愛子さま(2025年、石川県金沢市。撮影/JMPA)
5月18日と19日の2日間、愛子さまは石川県をご訪問された。2日にわたり、被災者に寄り添われた愛子さま。一方その足元では、愛子さまの将来にかかわる議論に一石が投じられていた。5月15日、読売新聞が1面トップで「安定的な皇位継承に向けた提言」と題した大型企画を掲載。“女性皇族の夫と子の身分も皇族にすべき”と大々的に主張したのだ。
「皇族数の減少が深刻な問題になっている中、国会では皇室典範改正に向けた議論が行われています。現在、『女性皇族は結婚後も皇室に残れるようにすべき』という点は概ね合意が取れ、実現しそうな印象です。
一方、与野党で意見が真っ向対立しているのが、女性皇族の夫と子の身分について。自民党をはじめとした保守勢力は、女性皇族の夫とその子を皇族として認めると、歴史に類のない『女系天皇』につながりかねないとして、“結婚後も一般人のままにすべき”と強く主張しているのです」(皇室ジャーナリスト)
今回の緊急提言が物議を醸したのは、その主張が従来の読売新聞の姿勢から大きく転換するものだったからだ。
「読売の論調はいわゆる保守派で、自民党の主張と近いとされています。そんな読売が、保守勢力が強硬に反対している私案を一面大見出しで展開した。自民党の議員からも、“読売があんな記事を出すとは思わなかった”という声が相次いでいます」(政治部記者)
しかし宮内庁内部では、この急展開に対して、政治的背景を勘ぐる向きもあるという。
「以前から“政治案件”の記事も多い読売だけに、一部の政治家と読売が連携し、7月の参院選の争点になり得るか観測気球をあげたのでは、という見方もある。そのためこのタイミングでの掲載には、どこか政治的な思惑も感じられます。“愛子さま、佳子さまの進退に、政治が絡むのか……”という声も聞こえてきます」(宮内庁関係者)
異例ともいえる今回の提言。一方で、皇室の将来にまつわる危機感がそれだけ高まっているともいえる。
「このままでは、将来的な皇族数の減少は食い止められず、皇室自体の存在が危うくなる。その点は思想の左右を超えて共感できる問題で、読売の提言はその危機感をもとに、“現実的な方策をとるべき”という立場を示した形といえます」(前出・政治部記者)
いまだ定まらない愛子さまの未来。しかし、そんな将来への不安もかき消すほどに、愛子さまの活躍はめざましい。
「愛子さまは、日本赤十字社の職員として出勤されながら、公務に励まれています。特に5月は、国際的な学会で初めてお言葉を述べられたほか、大阪・関西万博、そして能登へのご訪問と、休むことなく各地を飛び回っておられます。愛子さまのお姿を見て、涙が出るほど感動したという人も多かった。日々国民に尽くされるお姿は、被災地の人々を勇気づけたはずです」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2025年6月5・12日号