1966年、ビートルズが来日し大きな話題に(時事通信フォト)
平均寿命が劇的に伸びた「昭和の丙午」では、当事者を含めて悲劇を強く記憶している人びとが数多く存命していたため、騒動にさらに拍車がかかった。そして、当時のマスコミもその迷信の拡散に一役買ったのだ。
前年には「60年に一度の危険 丙午の女の赤ちゃんを産んだらたいへん」(ヤングレディ1965年1月25日号)、「来年はヒノエウマ いまなら間に合います ねりなおそう“出産計画”」(週刊サンケイ1965年3月1日号)などの特集が週刊誌で組まれている。
前出のユキコさんも「当時のことを母親に聞くと、丙午の約2年前から週刊誌やテレビなどで大きく話題になっていたそうです。私の母親のように産むことを迷い、選択を迫られた人は他にも大勢いたのではないでしょうか」とマスコミ報道の影響があったことを明かしていた。
では、来年迎える「令和の丙午」では、何かが起こるのだろうか。吉川教授は「結論から言うと、大きな人口変動は起こらないでしょう」と断言する。