積極財政派の高市早苗氏(時事通信フォト)
参院選の大敗を受けての「石破退陣」報道や総理本人によるその否定など、永田町は大混乱の様相を呈している。だが、この政権が余命幾ばくもないことは確かだろう。党内ではすでに、“ポスト石破”に向けた動きが活発化。なかでも有料候補の1人とされているのが、高市早苗・前経済安保相だ。積極財政派の高市氏が自民党の総裁となれば、参政党や国民民主党との「反財務省連合」を目指すとの見方もある。いよいよやってくる「政界大再編」の内実について、当事者らが証言した。【全3回の第2回】
増税マフィアの天敵が当選
自民党積極財政派の旗頭である高市早苗氏は、これまで財務省の財政再建路線を厳しく批判してきた。
「財務省に洗脳されて金を削ることばかり考えていてはいけない。投資&リターン。お金を入れたら、それが儲かって、税収になって、税率を上げなくても、戻ってくるという発想を広げられたらいい」
と積極財政を提唱し、石破首相が「日本の財政状況はギリシャよりもよろしくない」、森山裕・幹事長が「日本の国債の評価がギリギリのところまで落ちている」と減税の財源はないと発言すると、自身のSNSで「総理や与党幹事長の御発言は影響力が大きく、本当の信用不安を引き起こしてしまうかもしれません」と真っ向から批判した。
増税マフィアにとっては「天敵」そのものだ。
そして今回の参院選では高市氏と並ぶ“財務省の天敵”と言える2人が参政党から当選した。
「消費税は天下の悪税」と廃止を唱える元財務官僚の松田学・前参政党代表と、自民党代議士時代から「消費税廃止」を主張してきた税理士の安藤裕氏だ。
安藤氏は自民党時代、高市氏側近の中村裕之・元農水副大臣らとともに「日本の未来を考える勉強会」(議員約30人)を立ち上げ、コロナ対策で「消費税ゼロ」を提言した人物だ。