11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
映画『国宝』の大ヒットもあり、歌舞伎界への注目が高まっている。一般社会とは異なり、特殊な世界である歌舞伎界では“梨園の妻”という存在が重要だという。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、“梨園の妻”について分析する。
随所から心配の声が上がっていた女性もいまや「梨園の母」
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行ったのは、歌舞伎俳優の中村橋之助さん(29才)と元乃木坂46で女優の能條愛未さん(31才)。歌舞伎界の“金屏風会見”は、2013年2月の尾上菊之助さん(現・八代目尾上菊五郎・48才)と、中村吉右衛門さん(享年77)の四女・瓔子さん以来、実に12年9か月ぶりとなりました。
今年6月には「結婚しない男」ともいわれていた中村七之助さん(42才)が元人気芸妓の杏奈さん(35才)と都内の高級ホテルで豪華披露宴を行い、人間国宝の片岡仁左衛門さん(81才)や三笠宮家の彬子さま(43才)、七之助さんの高校時代からの親友・松本潤くん(42才)ら約600人が祝福したことも大きな話題になりました。
ここ数年、ネガティブな話題が少なくなかった歌舞伎界。しかし、今年の「新語・流行語大賞」30選にもノミネートされ、社会現象となり、いまなおロングランを続け、興収170億円を突破した映画『国宝』の後押しもあったのか、前出の橋之助さんと能條さんの会見は押しかけた報道陣の熱量が非常に高かったといいます。
……『国宝』効果だけではありませんよね? かつて、橋之助さんには結婚目前ではないかといわれていた女性がいらっしゃり、関係者から“許し”が出ていた“過去”がありました。
ですから能條さんの強気な押しは大きな話題となる一方、橋之助さんのお芝居にはどんどん色気が増していったものです。
果たして4年半の交際を経て、来年初夏に挙式、披露宴を執り行うとのこと。婚約会見を「やりなさい」と背中を押したのは母の三田寛子さん(59才)だったそうですね。しかも能條さんのお着物は1991年、三田さんが中村芝翫さん(60才)との婚約会見で着ていらしたものだったとか。いまや「梨園の妻」よりも「梨園の母」として評価される三田さんですが、着付けにまで口出ししたことには世の小姑たちから批判の声が上がっています。三田さんは「義理の父、七代目中村芝翫(享年83)が呉服屋さんで肩に反物をあてて見つくろってくださった、おめでたい柄」「よかれと思ってやっているのに」とラジオ番組で吐露しておられました。なんだか早くも大変そうです。
その三田さんはアイドル時代、いわゆる天然さんで、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「寛子のおかし大好き」コーナーでの“料理下手”が印象的でした。だからか、梨園に入ることになった頃は「京都出身というだけで?」「大丈夫?」などと随所から心配の声が上がっていたのも確かです。
でも、立て続けに3人の男児を出産。しかも全員を歌舞伎役者に育て上げたうえ、夫の女性問題がメディアを賑わせ続けても常にド~ンと構えていらっしゃる。
三田寛子
中村芝翫


