公表・報道されていない不祥事を起こしてきた財務省(写真:イメージマート)
高市早苗・首相と財務省のバトルがついに始まった。物価高対応を中心とする総合経済対策をめぐり、予算規模を小さくしようとする財務省に対して高市首相がやり直しを命じるなど、水面下の攻防が明らかになってきた。改めて存在感を増す“増税マフィア“だが、その中核をなす財務省では、たくさんの公表・報道されていない不祥事が起きていたのだ。
本誌・週刊ポストは過去1年(2024年4月~今年6月)の間に国家公務員法の処分を受けた11人の財務官僚のリストを情報公開請求で入手した。そこには国家の財政を担う役所にはあるまじき「金銭」がらみの不祥事から、文書改竄、盗撮、わいせつ行為などが並んでいた。金銭絡みの不祥事を紹介した第1回に続いて、そのほかの不祥事を紹介する。このリストをもとに、財務官僚たちが国民の知らないところで何をしでかしていたのかを見ていこう。【全3回の第2回。第1回から読む】
部下に“改竄”を命じ責任まで押し付け
「文書改竄」がまたも行なわれていたことがわかったケースもある。所属部課は「財務省」とあり、本省職員と思われる。
〈行政文書の開示請求への対応にあたり、当時の部下職員に指示し、分析記録の一部文言に二重線を加筆させた。(中略)当時の上司職員に、自らが部下職員に指示したことに触れずに、部下職員が単独で行ったかのように報告をした〉(「処分説明書」より。以下同)
この職員は「戒告」処分を受けた。
財務省では2018年に森友学園への国有地売却をめぐって公文書を組織的に改竄していたことが発覚、上司から改竄を命じられていた近畿財務局職員・赤木俊夫氏が自殺に追い込まれた。同省は内部調査を行ない、当時の事務次官や佐川宣寿・元国税庁長官ら幹部を大量に処分し、綱紀粛正と再発防止を誓ったはずだった。
にもかかわらず、現在も、情報公開請求された行政文書が上司の指示で“改竄”され、しかも、その上司はそれを部下の責任にしていたのだ。この役所が森友文書改竄事件を本当に反省しているとは思えない。
密輸入事件の容疑者情報漏洩もしていた。
〈令和7年2月6日、午後6時頃から午後11時頃まで、密輸入事件に係る犯則嫌疑者などに係る187名の氏名・住所等の個人情報などが記載されていた文書(計6点)及び官物である執務用端末を所持したまま、横浜税関職員と飲酒を行い、帰宅途上、当該文書等を紛失した〉
処分は「9か月間、減給1割」だ。
