およそ1時間にわたって熱弁
台湾は有事でなく“無事”が大事
川中:安倍元首相は「台湾有事は日本有事」という発言をしていました。これについては?
岩屋:その発言は、安倍さんが首相を辞めた2021年のものだったと記憶しています。現職時は、台湾有事についてひと言も触れていないはずです。
私は、外交を担う立場にある人が声高に「台湾有事、有事」と言って、いたずらに緊張を高めるべきではないと思っています。台湾は有事ではなく、“無事”であることが何よりも大事だからです。だから台湾海峡は現状が維持され、両岸が対話によって平和裏に解決することが最も望ましい。そう期待しているし、それに向けて環境整備に努めるのがわが国の役割だと思います。
私は防衛大臣も務めましたが、防衛の観点からいえば、当局はこの問題に限らず「あらゆる最悪のケース」を想定して、どういう対応ができるか内々にシミュレーションしておくことはすごく大事なことです。その備えをしつつ、台湾海峡の現状維持と対話の促進に注力すべきでしょうね。
