──そして、「ジャンボが出てきてくれてよかったと思うのは、自分の長所も短所もわかったこと」「飛んで曲がらないジャンボに勝つため、アプローチとパターを徹底的に磨いた」とも語った。
ライバルと切磋琢磨したミスターとジャンボは、その後に後進の育成にも熱心に取り組んだ。
ジャンボは18年からプロゴルファーを目指すジュニア選手に練習場と指導者を提供する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を主宰。もともと男子の“ジャンボ軍団”は広く知られていたが、千葉市内にある1万坪の専用練習場からは原英莉花、西郷真央、佐久間朱莉らの女子プロが巣立った。
2021年のアカデミーのセレクション時の密着取材でジャンボは育成への思いをこう語っていた。
「若い子にいい練習をしてもらいたい。それだけ。若い子が頑張るのを見るほうが、気持ちがいい。自分のことより重点的になってきたね」
そして、「オレ自身の夢や目標はないよ」と独特の表現をして笑った。
愛弟子の佐久間は25年シーズンに初めて年間女王に輝き、その直後に「ゴルフ人生を変えてくれたジャンボさんに年間女王の報告にいきたい」と涙ながらに語っていた。
ミスターも1992年ドラフト会議で引き当てたゴジラこと松井秀喜氏の「4番1000日計画」を実行。後に巨人、そしてヤンキースの4番になった松井氏は、11月のお別れの会で「監督により私の野球人生は美しく彩られました」と挨拶している。
レジェンドの遺志はそうして受け継がれていく。
※週刊ポスト2026年1月16・23日号